“こんな銀河、存在するはずがない”……すばる望遠鏡が写した「長方形銀河」の秘密
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この「長方形銀河」が見つかったのは、研究チームが、すばる望遠鏡に搭載された「Suprime-Cam」を用いて「NGC1407」という銀河(エリダヌス座の方向、距離7000万光年)の周囲の球状星団を探査していたとき。研究チームで論文の筆頭著者であるアリスター・グラーム氏(スウィンバーン工科大学)は、「見つけたときは笑ってしまうほど驚きました。こんな銀河、存在するはずがないと思ったのですから」と心境を語ったとのこと。
「LEDA074886」の形について研究チームは、厚みのある円盤状の銀河を横方向から見ているために長方形に見えているのではないか、としている。
共同研究者のダンカン・フォーブス氏(スィンバーン工科大学)は、「この銀河は2つの渦巻き銀河の衝突でできた可能性があります。衝突する銀河の中に元々あった星々が長方形の対角線状にまき散らされた一方、ガスは中央面に沈み、そこで新たに星が作られたことで結果としてこのような形になったのではないでしょうか」と、この銀河の生い立ちを推測。
また、今回の発見の意義についてフォーブス氏は、「様々な銀河の進化を理解する上では、星生成を伴う場合の進化と伴わない場合の進化、両方のシミュレーションで得られた知見を組み合わせて考えることが大事だということですね」と語っている。
《白石 雄太》
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