今日は省エネ総点検の日! 省エネの切り札LEDに意外な注意点 | RBB TODAY

今日は省エネ総点検の日! 省エネの切り札LEDに意外な注意点

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LEDランプには様々な種類がある
LEDランプには様々な種類がある 全 6 枚
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 きょう8月1日は、「夏の省エネ総点検の日」である。これは、8月~9月に消費電力が年間最大となりやすいことや、8月下旬に瞬間的な最大電力を記録する傾向にあることから、国民の省エネルギーに対する理解を一層深める事を目的として制定されたもの。省エネ・節電などの意識啓発のため各種行事が実施される事もある。

 特に今年は全国で節電要請が高まっており、今日、中部電力管内では最大供給電力の減少もあって電力使用率が92%を超える見込みとされるなど、電力需要はひっ迫している。省エネ・節電は生活に直結する重大な問題となっているが、かといって猛暑の中エアコンを控えすぎることは、熱中症などのリスクもあり、無理をしすぎないことも大切だ。そんな中、空調関係以外で、省エネ対策としてよく取り上げられるのがLED照明への切り替え。資源エネルギー庁が発表している「夏季の省エネルギー対策」の中でも、白熱電球について、特段の支障がない限り原則的に、LED電球や蛍光ランプに切り替える旨が謳われている。

■LED照明の意外な注意点

 省エネ、長寿命の点で注目されているLEDだが、少し注意すべき点もある。工業製品などに関する技術上の評価や品質に関する情報の収集・提供などを行なっている独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)が7月に発表した「照明器具による事故の防止について(注意喚起)」という発表によると、平成19年から23年の間に通知があった照明器具の事故は492件、そのうち22件がLED照明の事故であったという。その中には重傷被害を負った人も1名含まれる。

 5年で22件というと、少ない印象も受けるが、これはあくまで報告が上がってきた件数であり実際の件数はもっと多い可能性もある。それよりも気になるのは、事故の理由。照明器具の事故は、経年劣化による事故及び使用期間2年未満で発生する事故が多く、照明器具に適合しないランプを使用したことによるものも発生している。NITEによると、従来の蛍光灯器具のランプを、従来の蛍光ランプと口金形状、長さなど構造的に互換性をもたせたLEDランプに交換する場合、さまざまな種類のLEDランプが取り付けできるため、組み合わせによっては蛍光灯器具の部品が経年劣化により発火に繋がったり、LEDランプが落下するなど事故の危険性が高くなるとのこと。この危険性を持っているのは、家電量販店でも良く見かける、丸い形の「電球」タイプではなく、直管形LEDランプと呼ばれる細長いタイプのものである。

■直管形LEDランプは適正な規格で、照明器具ごと交換すべき

 この点に関しては、日本照明器具工業会等でも注意喚起されているが、直管形LEDランプには様々な種類があり、蛍光灯照明器具との組合せによっては上記のような事故の危険性があるという。事故に至らずとも、十分な発光が得られなかったり、また万が一事故の際も、既設の蛍光灯照明器具へ直管形LEDランプを装着していた場合、事故責任が取り付けた本人にかかるということもポイントだろう。

 さらに、照明は、ランプそのものだけでなく、ランプを取り付ける照明器具自身にも寿命があり、その適正交換時期は8年~10年とされている。LED照明の多くは数万時間など長寿命と合わせて、既存の照明器具にそのまま取り付けられることを売りにしている。しかし、既に数年使用した照明器具を取り替えず、ランプのみLEDに交換すると、長期間の使用中に照明器具側が経年劣化を起こして事故の可能性が高くなる。日本照明器具工業会では、ランプだけでなく、照明器具全体を同時に交換するよう推奨している。

 また、こうした事故を防ぐため、日本電球工業会と日本照明器具工業会が連携し、最低限保障すべき性能規定を含んだ直管形LEDランプシステムの規格「JEL801」を制定している。「JEL801」では、蛍光ランプ用の口金(G13)とは異なる形状のL字型の口金採用により、誤挿入と万が一の落下を防止し、安全性を確保している。LEDランプの使用について、まだまだ実際の事故件数は少ないとはいえ、危険性や問題が明らかなまま適正でない方法で使用すべきでないことは言うまでもないだろう。正しい知識を持って、LEDランプ、照明器具共に、適正な規格に基づいた製品を選択、使用して、節電の夏も乗り切ってもらいたい。

《白石 雄太》

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