【インタビュー】ソリトンシステムズ「手軽にBYODを実現する注目のソリューション 『Dynamic Mobile Exchange』とは?」 | RBB TODAY

【インタビュー】ソリトンシステムズ「手軽にBYODを実現する注目のソリューション 『Dynamic Mobile Exchange』とは?」

エンタープライズ 企業
DMEクライアントからは、社内のIBM Lotus Notes/DominoやMicrosoft Exchangeをセキュアな環境の下で利用できる。
DMEクライアントからは、社内のIBM Lotus Notes/DominoやMicrosoft Exchangeをセキュアな環境の下で利用できる。 全 6 枚
拡大写真
 スマートフォンを業務に活用する場合、会社支給のものよりも個人所有のデバイスのほうが使いやすく仕事効率もアップすると感じることも多い。最近では、そうしたBYOD(Bring Your Own Device)が注目されている。

 しかし、その本格的な普及には、まだいくつかの課題がある。機種ごとの環境設定や動作確認、セキュリティ面を含めたデバイスの管理が行き届かなくなる。こうした検証や管理を徹底しようとするとかえってコストがかかるケースもある。ソリトンシステムズの『Dynamic Mobile Exchange』(以下DME)は、そんなBYODの普及を促進する可能性を秘めたモバイル活用ソリューションといえる。

■BYODに求められる環境をまとめて1つのアプリに実装

 ソリトンシステムズのDME(Dynamic Mobile Exchange)は、今年6月に開催されたInterop Tokyo 2012の「Best of Show Award」スマートデバイス部門においてグランプリを受賞した製品だ。

 DMEは、Android OS搭載のスマートフォンやタブレット、iPhoneやiPadなどといった幅広いスマートデバイスで社内の業務用システムなどを安全に利用できるソリューションだ。スマートフォンやタブレットの直感的な操作性はそのままに、普段、社内で利用しているグループウェアが利用できるため、生産性は非常に高い。

 DMEは、スマートデバイスにインストールされるDMEクライアントから、DMEゲートウェイにアクセスしてデバイスを確認し、LAN上のDMEコネクタを経由してユーザー認証やバックエンドシステムと連携を行う。このとき、DMEクライアントは直接イントラネットに接続せず、間接的なリクエストを送信して、必要なデータの同期を行う。ユーザ認証には、パスワード入力だけでなく、ログイン画面を指でなぞる「スワイプログイン」も利用できる。「ログイン作業の煩わしさを低減し、日常の使い勝手を向上させています」と同社モバイル&クラウド事業本部副本部長の正木淳雄氏は語る。

 DMEクライアントから行えるのは、現在のところ、IBMLotusNotes/DominoやMicrosoftExchangeといった社内のグループウェア(メール、アドレス帳、TO-DO管理)の利用など。さらに、社内外のWebアプリケーションシステムや、業務Webアプリも、同クライアントのAppBoxに登録することで利用できるという。「DMEクライアントはAppBoxというWebブラウザエンジンを搭載しているため、Webアプリケーションシステムならば、AppBoxにリンクを登録しておくことで、利用いただけます。また、どのアプリをどのユーザーに利用させるかは、管理者が一元的に管理できます」(正木氏)。

■セキュア・コンテナにより安心運用

 DMEクライアントは『セキュア・コンテナ』と呼ばれる、他のアプリケーションからは完全に独立した空間を持ち、内部データはすべて暗号化されている。また、DEMコネクタへの接続も、すべて暗号化通信で行われる。「内部データはすべて128ビット長の鍵を用いたAES暗号で暗号化されるほか、サーバとはSSLによる暗号化通信を行っています」(正木氏)

 DMEクライアントをインストールするだけで、通信環境から実行環境、内部保存データまで、端末側のセキュアな利用環境がすべて構築できるため、システム管理者も煩わしい作業から解放されるのは大きなメリットだ。

 メールやスケジュールなどのデータは端末内に保存されるため、オフラインでも内容が確認できるのは便利だ。その反面、端末の紛失や盗難に対するリスクが懸念されるかもしれないが、その点も心配は無用だ。「DMEにはMDM(Mobile Device Management)の機能も組み込まれているため、システム管理者は、端上の情報を遠隔操作で消去することができます」(正木氏)。

 しかも、DMEセキュア・コンテナ上のデータだけを選択して消去することができるという。「個人所有の端末の場合、紛失したからといって、個人の写真やアドレス帳まで会社側で消去するわけにはいきません。その点、DMEでは、会社のデータだけを遠隔操作で消去することができます(正木氏)」

 DMEクライアントは、Android2.2以上、iOS4.3以上に対応しており、幅広い端末から利用できるのもBYOD向きと言えるだろう。ゲートウェイやサーバを含めたソリューションについても、オンプレミスでの導入だけでなく、クラウドでの利用も可能なため、スモールスタートから本格的な社内運用まで、あらゆるニーズに応える。

 正木氏は「DMEはBYODだけにフォーカスしたソリューションではありません」と説明するが、こうしたDMEの特徴的な機能の数々はBYODの実現に大きな効果を発揮すると考えられる。

■BYODの普及に向けて着実にシェアを拡大中

 では、実際にDMEは、BYODの利用シーンをどれほど広げているのだろうか。モバイル&クラウド事業本部マーケティング担当、新井ひとみ氏によれば「会社支給の端末で利用しているお客様も多くいらっしゃいますが、BYODを視野にいれている企業様も増えています」とのこと。

 DMEソリューションをいち早く導iPhoneにDMEを導入した。もともと社内でNoteを利用していた同社では、モバイル端末として他の端末を導入していた。ところが、端末の基本操作を習得するのが難しく、なかなか社内システムの利用という本質までたどりつかない。そこで、基本操作の習得が容易なiPhoneの導入を検討したことが、DME導入のきっかけになったという。

 DME導入企業の評価は総じて高い。「DMEを導入されたお客様に印象を伺うと『普通に使える』という答えが返ってきますが、当社では、これを褒め言葉と考えています。たとえばDMEではメールを個別に暗号化しており、読むときに一通ずつ復号していますが、特に待たされる感覚は無く、通常のインターネットメールと同じ感覚でご利用いただけます。他のアプリと比べても違和感なく使えることが、DMEの大きな魅力ではないでしょうか」(新井氏)。

 また、新井氏によれば「現時点でDME導入に関心を示している企業には『今は会社支給だが、1年後にはBYODを考えている』というお客様が多いですね」と明かしてくれた。まずは会社支給のデバイスで利用して様子を見て、BYODの可能性を判断しようという企業が多いようだ。

 一方で、事業継続性(BCP)という観点からBYODの導入を検討する企業もあるという。「休暇中や自然災害などの遭遇時に、最後まで肌身離さず持っているのは個人所有の端末です。DMEさえインストールされていれば、個人所有の端末からでも業務を遂行できるというのは企業にとっても大きなメリットです(正木氏)」。

 また、DMEが12カ国語に対応している点も、グローバル展開する企業での導入を後押ししているという。「たとえば、日系企業の海外拠点で働くスタッフに、日本から端末を支給して海外ローミング契約で利用するよりも、現地の通信キャリア向けの端末を調達してDMEをインストールして利用したほうが、コスト面でも効率面でも有利なのは明らかでしょう。また、現地法人にも本社と同じシステムを使わせたいという企業は多く、そうしたニーズにもお応えしています」(正木氏)

 このように、現在、企業のニーズは確実にBYODの方向を向いており、機能面や導入のしやすさからも、DMEがその普及を大きく推進していくことだろう。

■HTML5によるローカルアプリへの対応を強化

 DMEの今後の展開はどのようになっているのだろうか。正木氏によれば「基本機能はこのままに、主にAppBoxの機能強化を図っていく」ことになるという。

 AppBoxは、現状でもHTML5で記述されたページの閲覧には対応しており、HTML5で記述されたローカルアプリの実効にも対応予定である。今後は、そうした部分を強化
していきたいとのことだ。

 ほかにも「リモートデスクトップ」や「社内ファイルサーバーアクセス」「音声通話」の実装を希望する声も寄せられており、ニーズの高さによっては、今後の対応も検討していく予定だという。


★RBB TODAY特別編集『Interop Best of Show Award マガジン』が無料ダウンロードできます!
http://expotoday.com/booth/detail?bid=11128&eid=58

《竹内充彦》

特集

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/

関連ニュース