今回の研究は東京大学先端科学技術研究センターの渡邊克巳准教授と共同で行われた。これまでの研究成果から、他人に褒められると金銭報酬を得たときと同じように脳の線条体が活発に働くことがわかっていたが、今回の研究成果では、さらにその脳の働きの結果として、運動技能の習得が、より「上手」に促されることを示したものと言える。
定藤教授は「『褒められる』ということは、脳にとっては金銭的報酬にも匹敵する社会的報酬であると言えます。運動トレーニングをした後、この社会的報酬を得ることによって、運動技能の取得をより『上手』に促すことを科学的に証明できました。『褒めて伸ばす』という標語に科学的妥当性を提示するもので、教育やリハビリテーションにおいて、より簡便で効果的な『褒め』の方略につながる可能性があります。」と語った。