【レビュー】イヤホン「Atomic Floyd」の最新モデルで「ももクロ」を聴く! | RBB TODAY

【レビュー】イヤホン「Atomic Floyd」の最新モデルで「ももクロ」を聴く!

IT・デジタル その他
「Atomic Floyd PowerJax +Remote」を試してみた
「Atomic Floyd PowerJax +Remote」を試してみた 全 6 枚
拡大写真
 ステンレススティール素材のメタルハウジングを採用したスタイリッシュなデザインと、クリアサウンドに定評があるアトミックフロイドのカナル型イヤホンに、価格1万4,800円の比較的安価なモデルが登場。というわけで、早速試してみた。

 同社製イヤホンの魅力といえばやはり、剛性を高めた重厚なメタルハウジングを採用したデザインのカッコ良さと、スパっと鋭い切れ味や抜けの良さを実感できるサウンドだろう。筆者個人的にはパワフルなロック系や、ふくよかな低音と伸びやかな女性ボーカルを聴かせるR&B系などのサウンドでより威力を発揮するといった印象。特に女性ボーカルはクールだが艶やかさが増す、といったイメージ。

 さて、今回の新モデル「Atomic Floyd PowerJax +Remote」はどうだろうか。銅とアルミニウム、2種類の金属コイルで音の表現力向上を図った13.5ミリの大口径ダイナミックドライバーなどを搭載し、マイク/コントロール付。そのほか、ケーブルにはもつれにくく耐久性に優れたケブラー繊維を採用した。

 同社の公式サイト上では、「高音は? あなたの目を覚ますでしょう! 低音は? あなたをノックアウトするかもしれません!」とアピールしており、高・低音を重視したサウンドであることは間違いない。しかしキンキンと耳障りな高音や、パワーを重視するあまりボワボワと間延びするような低音を聴かせる一昔前のクラブ系サウンドが陥りがちだった“ドンシャリ”系ではなく、高・中・低音のバランスが良くそれぞれが干渉し合わない“優等生”なサウンド。言い換えれば、音の温かみや派手さなどを排除したクールで硬質なサウンド、といったところ。

 ……と、聞こえる音の印象を言葉のみで伝えるのは難しいので、なるべくわかりやすくお伝えするべく、音源を試聴しつつレビューしてみたいと思う。プレーヤーはiPhone 4Sで、試聴した音源は人気急上昇中のアイドルグループ・ももいろクローバーZが2012年11月にリリースしたシングル「サラバ、愛しき悲しみたちよ」。なぜ、ももクロか、というと、同グループの楽曲はジャンルレスともいえるほど多彩なので、色々な音を試聴したいイヤホンレビューには最適……かどうかは別として、まぁ、単に筆者個人的な趣味によるものです。はい。

 タイトル曲「サラバ、愛しき悲しみたちよ」は、ギタリストの布袋寅泰が提供したミステリアスな雰囲気あふれるロックテイストの楽曲。となれば必然、全編にわたって響く布袋独特のエッジの効いたギターリフがサウンド面での主役となるわけだが、そのギターサウンドの魅力を最大限に引き立たせているのがベース。同イヤホンで試聴して印象的だったのは、そのベースサウンドがとにかく際立ってクリアだったこと。「ドゥン、ドゥン」と重低音を響かせる一方で、音の輪郭がくっきりとしているため、同じく低音のバスドラムに消されることなく浮かび上がる。また、多くのカナル型イヤホンにありがちな音の“籠り感”が少なく、音抜けが良いため、パワフルでスピーディなロックサウンドを十分に満喫でき、もたつきを感じなかった。

 カップリング曲「黒い週末」は、ももクロの多くの人気曲を手掛けるNARASAKI(特撮、COALTAR OF THE DEEPERS)による楽曲。ブラック・サバスへのオマージュを散りばめた重厚なメタルサウンドで、やはり「サラバ~」同様にギターサウンドが特徴的。サバスばりの歪んだディストーションサウンドで、歪み系のギターはどうしても音の粒がつぶれて濁ってしまいがちだが、同イヤホンではギターサウンドがドライに聞こえ、ジャキジャキと刻むリフを耳の奥で心地よく体感することができた。また、ギターとならんでドラムも大きな魅力のひとつ。ドカドカと手数が多く荒いブレイクビーツ系のスピーディなフレーズだが、バスドラムの低音とともにハイハットの音までハッキリと聞こえるおかげで、楽曲にノリが増した、という印象を受ける。


 もうひとつのカップリング曲「Wee-Tee-Wee-Tee」は、新進気鋭のイラストレーター兼音楽家・CHI-MEY(チーミー)による楽曲。ロックテイスト満載の前2曲から一転、色とりどりの電子音を多用し、よく“おもちゃ箱をひっくり返したよう”などと表現されるももクロ楽曲の王道とも言えるカラフルポップなサウンド。とにかくスピーディに展開するアップテンポの曲中に万華鏡のように色々な音が次から次に聞こえてくるが、使われる音の多くは輪郭のくっきりした電子音なので、ごちゃごちゃとせず明快。このイヤホンだから特にクリアに聞こえる、というわけではないが。同イヤホンでのメリットとしては、全体的にきらびやかな高音を多用したサウンドながらも、高・中・低域のバランスが良く、キンキンと耳が痛くならない点だろうか。

 また、ボーカルについては先に述べた通り、彼女たちの歌声がクリアに聞こえた。クールなイメージ、とまではならないが、ほかの音に紛れず、おかげで早口でまくしたてるようなパートでも歌詞が聞き取りやすくなった。また、いずれの楽曲でも、何より印象的だったのは、歌うメンバーたちを“近く”に感じられるという点。これは、特に重要な点だ。

 上記3曲を聞いてみた限り、やはり元々がゴチャッとなりがちなパワフルロックサウンドでより効果的という印象で、反対に、元々クリアで聞き取りやすいポップ系などでは、それほど差を実感しにくいかな、というのが筆者の感想。色々なタイプの楽曲があるももクロのような音楽を聞く人には“アリ”なイヤホンではないだろうか。赤色ケーブルなので、夏菜子推しに最適……なーんてね。

《花》

特集

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/

関連ニュース