国立天文台と富士通、“宇宙にもっとも近い”大型電波望遠鏡「アルマ」のスパコンを開発 | RBB TODAY

国立天文台と富士通、“宇宙にもっとも近い”大型電波望遠鏡「アルマ」のスパコンを開発

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アルマ望遠鏡(完成予想図)
アルマ望遠鏡(完成予想図) 全 2 枚
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 自然科学研究機構国立天文台は14日、富士通グループと共同で、大型電波望遠鏡「アルマ」の専用スーパーコンピュータ「ACA相関器システム」を開発したことを発表した。チリの現地時間13日に「アルマ望遠鏡開所式」が開催され、稼働開始した。

 「アルマ」(アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計)は、世界最高の感度と分解能を誇る大型電波望遠鏡で、東アジア(日本:国立天文台が主導)、北アメリカ、ヨーロッパが協力して、チリの標高5,000メートルの高原に建設された。山手線の内側と同程度の規模である、直径約18.5キロメートルの敷地にパラボラアンテナを66台配置し、アンテナから受信したミリ波・サブミリ波の信号を計算機で処理することで、最大直径18.5キロメートルの巨大なパラボラアンテナを使った場合と同等の高画質な電波画像が合成可能となっている。

 国立天文台と富士通グループは、共同で、高感度の観測が可能な「アタカマコンパクトアレイ」のデータ処理を担う、専用スーパーコンピュータ 「ACA相関器システム」を開発した。

 「ACA相関器システム」は、富士通のPCサーバ「PRIMERGY」35台と専用計算機で構成され、望遠鏡のアンテナが受信する毎秒5,120億個の電波信号データを、毎秒120兆回の計算速度でリアルタイムに処理することが可能。同時に、標高5,000メートル、0.5気圧という過酷な環境での安定動作を目指している。「ACA相関器システム」に入力されるデータは毎秒5,120億個(毎秒約200ギガバイト)にのぼり、これは家庭用光回線(毎秒100メガビット)2万本分に相当するという。

《冨岡晶》

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