KDDI、12年度MNP純増100万件を突破!SBMは純増数単月で過去最高 | RBB TODAY

KDDI、12年度MNP純増100万件を突破!SBMは純増数単月で過去最高

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’12年度 MNP累計の数字
’12年度 MNP累計の数字 全 5 枚
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 電気通信事業者協会(TCA)は5日、携帯各社3月末時点の契約数を発表した。他社からの乗り換えを示すナンバーポータビリティ「MNP」の数字において、KDDI(au)は121,400件の転入超過で1位となり、連続首位記録を18ヵ月に伸ばした。2位のソフトバンクモバイルは63,800件の転入超過、3位のNTTドコモは185,100件の転出超過となっている。

■KDDI(au)が12年度のMNP純増累計で100万件突破

 新生活を控えた3月は携帯市場において最も大きな商戦期。KDDI(au)およびソフトバンクモバイルは上手く商戦期の波に乗り、それぞれ前月比で約2倍の転入超過を獲得。NTTドコモだけは逆にそのあおりを受けて大きく転出超過となった。また、これで2012年度(2012年4月~2013年3月)の数字が全て出そろったことになるが、各社に累計の数字を確認したところ、KDDI(au)は累計で1,010,500件の転入超過となり、初めて100万件を超え、年間通じて首位に。過去最大のMNP純増数を記録した。ソフトバンクモバイルは累計411,200件の転入超過で、こちらも年間通じてプラスをキープ。NTTドコモは累計1,409,500件の転出超過となり、他2社にMNPでは大きく溝を開けられた一年となった。

 一方、純増数でみていくと、3月の首位はソフトバンクモバイルで660,700件の純増。これは過去最高の数字だという。2012年の累計では3,530,600件の純増で、3年連続350万件以上の純増をキープした。KDDI(au)は511,900件で2位。累計では、2,600,200件の純増数を記録。NTTドコモは、3月の純増が417,400件で、累計では、1,406,500件の純増だった。

 これら数字に関してや、春商戦の手応えについて各社広報に取材した。

■各社広報に現状を聞いた

 まず2012年度MNP転入超過が100万件を超えたKDDI(au)では、この1年の好調の要因を、auスマートパスとauスマートバリューが好評を博している点と説明。両サービスは、今月でちょうど一周年を迎え、この一年で徐々にユーザーの理解も深まり、浸透してきているとした。春商戦では各社学割をフックに学生へアプローチを行うが、KDDI(au)はそこに家族全員が対象となるauスマートバリューを加え、学生の家族にも利用しやすいことを訴求。実際に、通常であれば新機種に偏りがちな端末の売れ行きが、この3月は万遍なくどの機種も売れているとのことで、家族を含めた幅広い層がMNPでKDDI(au)に流れている状況が伺える。

 また、3月はKDDIの固定回線サービスである「auひかり」の契約者の内、auスマートバリューの利用者が初めて5割を超えたそうだ。さらに、MNPによる転入件数全体の中でも4割がauスマートバリューを利用しているとのこと。このことからも、auスマートバリューの浸透具合が見て取れる。その他、3月好調の要因としては、auスマートパスがiPhoneに対応したことも挙げられるという。まだアプリの利用はできずWebサービスに限った状態ではあるが、“使い放題”モデルのサービスがiPhoneで利用できるインパクトは小さくないだろう。

 次に、純増数で引き続き好調をみせるソフトバンクモバイル。こちらも学割+家族のセット割(ホワイト学割 with 家族2013)でユーザーの囲い込みを図っている他、引き続き好調を維持しているiPhone 5やiPad miniなど人気端末の影響も未だに大きいとのこと。それらに加えて、2月の中旬頃からTV CMや発表会で孫社長自らも猛烈にアピールしている「接続率」訴求の効果も出ているようで、“つながる”ソフトバンクのイメージが徐々に出来てきているのではないか、とした。イー・モバイルのLTE網が使える「ダブルLTE」の発表を先月末に行ったところであり、4月以降、その影響がどこまで見えてくるかも気になるところ。

 最後に、MNP、純増数ともに苦戦を強いられているNTTドコモ。ドコモも、基本路線としては、学生とその家族を狙っていくという部分で、応援学割2013などの割引施策に力を入れている。3月はどうしても市場自体の動きが大きくなるタイミングで、MNP転出数は大きくなってしまったが、人気機種である「Xperia Z」が好調なことや、タブレットも2台持ち需要を捉えて上手く拡販できていることから、今後の回復に期待が持てそうだ。

 引き続き、4月も熾烈な春商戦が続いていく。各社に来月以降の動きを聞くと、概ね3社とも「このまま学割訴求を中心に行く」との答えが返ってきた。確かに、新たな端末の登場など、あまり目立った動きは少なそうではある。しかし、他社との差別化を図らなければ、いずれユーザーは離れていってしまう。先月の記事にも書いたが、いかに自分たちの持つリソースを組み合わせて“らしさ”を確立し、ユーザーにメリットを感じてもらうか。マルチデバイス・マルチサービスの世界の中で、一歩先んじるキャリアはどこになるのか、注目していきたい。
 

《白石 雄太》

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