【テクニカルレポート】情報社会を支える画像認識・文書解析技術の最新動向……日立評論
エンタープライズ
ソフトウェア・サービス
注目記事
-
【デスクツアー】真似したい自宅デスク環境一挙公開!
-
主要クラウドストレージサービスに対応した暗号化製品を発売 日立ソリューションズ
-
日立、グローバルの研究体制強化!ブラジル研究所や米国ビッグデータラボを開設

1.はじめに
日立グループが30年以上にわたって研究開発を続けてきた画像の自動認識技術は,さまざまな分野で実用化されている。例えば,工業分野・ビジネス分野においてはFA(Factory Automation)やOCR(Optical Character Recognition)などが典型的な事例である。
近年では,スマートフォンやドライブレコーダなど安価な撮像機器が普及してきたことに伴い,新しい市場が開拓されつつある。例えば,車載カメラを使った人物認識や障害回避機能は,交通社会を支える新しいインフラ技術として広く使われ始めている。また,文字認識においても,従来からある紙文書の読み取りだけでなく,文書作成ソフトなどで作られた電子文書をDB(Database)へ変換する文書解析技術や,カラー文書画像処理の進展により,その適用場面を広げつつある。
日立グループは,自動認識技術においてハードウェアからアプリケーションまで幅広い技術ラインアップを有している。
ここでは,画像認識技術と文書解析技術に関する最近の動向,およびハードウェア・ソフトウェアを含めた応用事例について述べる。
2.画像認識技術
2.1 画像認識技術の取り組み
日立グループはFA,セキュリティ,ITS(Intelligent Transport System)分野で培った技術およびノウハウを相互に活用することで,高性能かつロバストな画像処理アプリケーションを展開している(図1参照)。
FA分野では,配線設計データと検査画像を照合することで微細加工に起因する配線不良を検出する半導体検査装置,セキュリティ分野では人間のさまざまな動きや多様な顔をロバストに抽出して侵入者などの異常を検知する監視システム,ITS分野ではさまざまな天候や,昼夜などの異なる屋外環境で,車両,歩行者,レーンを検知する車載カメラシステムを製品化している。
ここで培われた技術,ノウハウは日立画像処理ライブラリあるいは日立画像処理アクセラレータとして蓄積し,日立グループのさまざまなアプリケーションに横断的に活用している。
2.2 日立画像処理ライブラリ
日立グループは,交通事故防止を目的とした画像認識技術を応用した車載カメラの開発を推進している。天候,昼夜を問わず屋外を走行する車載向けのカメラであるため,照明変動,路面標示のかすれといった悪環境においても誤動作なく画像認識を行うことが必須である(図2参照)。
そこで国内の路面標示を認識する画像処理ライブラリを開発した(1)(2)。この画像処理ライブラリは,廉価なLSI(Large-scale Integration)でも動作可能にするため画像認識の処理時間や使用メモリを可能な限り節約した構造を持つことを特徴としている。
《RBB TODAY》
特集
この記事の写真
/