NTT、超低消費エネルギーでデータ伝送可能なレーザを開発……IT機器の省電力化に期待
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
NTTの研究所では、IT機器の消費電力と発熱の問題を抜本的に解決するため、IT機器を構成する部材のなかでもっとも電力消費が大きい、マイクロプロセッサの消費電力を低減する研究を続けていた。一方で、実際に光技術をマイクロプロセッサ間のデータ転送等に適用するには、しきい値電流の削減と超低消費エネルギー動作の実現、およびIT機器内部の温度環境下(80度)での動作が重要な課題となっていた。
今回開発されたLEAPレーザでは、1ビットのデータを転送する場合、従来の半導体レーザの1/10以下のエネルギーとなる、5.5フェムトジュールで可能となる。データ通信にこの技術を適用し光配線化することで、サーバやルータなどのIT機器で大きな消費電力を使っているマイクロプロセッサの消費電力を、4割程度削減できる見込みだ。
今回の成果は、これまで基礎研究にとどまっていたフォトニック結晶レーザが、マイクロプロセッサチップ内への光配線用光源として実用化できることを示したものとなる。今後は、レーザ出力の増加や高い信頼性の確保などの研究開発に取り組み、商用化を目指す。2022年頃にはマイクロプロセッサ内へ光配線技術を導入しマイクロプロセッサの消費電力を4割程度削減することを目標とするとのこと。
《冨岡晶》
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