【ウェブユーザビリティ洞察】生涯使えるコンピュータスキル……ニールセン博士のAlertbox
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そういうわけで、残念ながら、誇らしげなご両親には、お宅のお嬢さんが習う知識は彼女が3年生を終了するまでには時代遅れになっているだろうと言わなければならなかった。
もちろん、ここでの問題は、教える内容と特定のソフトウェアアプリケーションの結びつきが強すぎることにある。仮にMicrosoftがExcelの完全な変更を今年は行わなかったとしても、それがいずれ行われるのは間違いないからである。しかし、Office 2007を教えられるように教材を改訂する、というのは解決策ではない。今の3年生たちが仕事をするようになる10年か15年後には、そして、彼らが定年を迎える2065年までには、さらにUIが変更されていることは確実だからだ。
まだ学生である子どもたちに、彼らがすぐに利用できるスキルを教えるというのには一理ある。しかし、特定のアプリケーションの変更に左右されない、永続的に彼らのためになる奥深い概念を教えることはもっと意味があるだろう。
生涯使えるコンピュータスキルを学校で教えることで、生徒には自力では獲得しそうもない見方ができるようになるというさらなる効果がもたらされる。対照的に、ソフトウェアはどんどん利用しやすくなっていっているので、誰でも円グラフの書き方ならわかるようになるだろう。人は必要なときには機能の利用方法を自力で学ぼうとする。つまり、求めるための動機があるからである。しかし、学校教育がきっかけにならない限りは、際限なく後回しにされるのが、概念的な事柄と言えるだろう。
以下は、小学校で教えるべきだと私が思う一般的なスキルである。
【検索の戦略】
検索エンジンの今のマーケットリーダーは20年後にはいなくなっているかもしれない。さらには、すべての検索エンジンで現時点では優勢な検索ページレイアウトも今後変わっていくのはほぼ間違いないだろう。したがって、子どもにはGoogleのコツを教えるべきではない。
そうは言っても、検索についての一般的な概念だけは、これからもさらに重要になっていくだろう。というのは、どこからでもアクセス可能な情報が今以上に増えるからである。良質な検索キーワードをどうやって考案し、検索キーワード変更などの検索の工夫をどうやっていつ行い、どうやって詳細検索をして、検索結果の関連度をどのように評価し、タイプの異なる複数の検索エンジンをどのように組み合わせるのか、といった戦略は、こうした戦略の変更を具体的にどのように実装するのかと同じくらい、依然、重要なままだろう。
【情報の信頼性】
子どもを対象にしたウェブサイトのテストで、彼らは大人のユーザーより広告をクリックする回数がずっと多いということがわかった。したがって、子どもには、スポンサードサーチによるヒットと、オーガニック検索によるヒットの違いなど、さまざまな広告のタイプの見抜き方を教えることが重要であるのは間違いない。しかし、さらに進んで、オンラインでの情報の信頼性についての判断やチェックの仕方を子どもに教える必要もある。ティーンエイジャーはオンラインではとりわけ忍耐力がないため、被害の対象になる可能性が高いからである。
【情報の過負荷】
将来、Eメールの数はさらに増えるだろうし、インスタントメッセージング、ショートメッセージサービス、ボイスメール、通話、ビデオメールも増えれば、ウェブサイトも増えるだろうし、ポッドキャストも今以上になって、イントラネットの内容もさらに豊かになるだろう。そのうえ、こうしたことのすべてを、オフィスでも、自宅のコンピュータでも、そして、モバイル機器などのさまざまなワイヤレス機器でもできるようになるだろう。
シンプルなステップによって、情報の過負荷に対抗することは可能だが、情報が雪だるま式に増加するにつれて、さらに洗練された戦略が必要にはなるだろう。
※この記事は、「U-Site」が掲載しているコラム「ニールセン博士のAlertbox」から全文転載したものです。最新コラムや詳細情報は「U-Site」で閲覧できます。
《RBB TODAY》
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