【インタビュー】『オズ はじまりの戦い』ストクダイク……「すべて」をデザイン | RBB TODAY

【インタビュー】『オズ はじまりの戦い』ストクダイク……「すべて」をデザイン

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『オズ はじまりの戦い』 (C) 2012 Disney Enterprises, Inc.All rights reserved.
『オズ はじまりの戦い』 (C) 2012 Disney Enterprises, Inc.All rights reserved. 全 4 枚
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 ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンは、ファンタジー・アドベンチャー『オズ はじまりの戦い』のブルーレイ、DVDを8月2日に発売する。視覚効果を監修したスコット・ストクダイクにインタビューした。

 ストクダイクは『コンタクト』、『スターシップ・トゥルーパーズ』にデジタルアーティストとして、『ゴジラ』、『スチュアート・リトル』にCGスーパーバイザーとして参画。近年はアカデミー賞視覚効果賞を授賞した『スパイダーマン2』を含み、「スパイダーマン」3部作でサム・ライミ監督と組んだ。『オズ はじまりの戦い』ではライミ監督とふたたび組んで、“オズ誕生”の物語を映画化した。

--- ストクダイクさんは特殊効果のエキスパートとしてすでに長いキャリアをお持ちです。ストクダイクさんが手がけた過去の作品の特殊効果と比べて、『オズ はじまりの戦い』はどう違いますか。

ストクダイク --- まったくすべてを「デザイン」したということです。しかも現実世界ではなく、空想の世界を、です。そこが従来の仕事とは異なっていました。

--- 具体的に、本作で何か新しいテクノロジーを使いましたか? 分かりやすいものなどあればお教えください。

ストクダイク --- この作品のため特別に開発された技術はありません。既存の技術の範囲で製作しました。例をあげると、役者が演技するときに、相手役がCGだとその場にいないのですが、動画を投影することで、演技がかみ合うようにしています。

『オズ はじまりの戦い』では、技術より、製作に参加したアーティストの個性、ツールに頼らない“技”がよく発揮されました。

--- 気球がオズの国に不時着した際の鮮やかな花のシーンや、終盤の花火のシーンなど目を奪われる華やかな視覚効果のシーンが多い中、ストクダイクさんが最も思い入れのあるシーンはどこですか?

ストクダイク --- オズ(オスカー)と翼の生えた猿、フィンリーが“陶器の町”に着いて陶器の少女に会う場面です。場面全体の環境も、そこに詰まっているディティールも、よくできていると思います。キャラクターについても、人間のジェームズ・フランコ、CGの猿、同じくCGの陶器の少女というように、ビジュアルが絡み合います。感情豊かなシーンですね。

--- 本作を手掛ける際にご自身でかがけたテーマや目標といったものはありますか?

ストクダイク --- 最初に立てた目標が、誰かひとりの意見に基づいて製作するのではなく、スタッフのコラボ、共同作業で行こう、ということでした。監督のサム・ライミが共同作業を重んじる人なのです。一人ひとりの意見、アイデアを取り込みました。

--- 最近はサム・ライミ監督と長く組んでいます。ライミ監督と働くのはどのような感じですか。ストクダイクさんは監督のどんな所を評価していますか。

ストクダイク --- ライミ監督はユーモアのセンスのある人で、撮影現場が楽しい人です。熱心に、楽しんで映画を撮ろうよ、と。監督はビジュアルを使ってストーリーを構成する才能に長けた人です。そして、もっと良くしようという努力をやめない人です。また、先ほども言いましたが、周りの意見を聞く人です。

--- ライミ監督はストクダイクさんのどこを尊重していると思いますか。

ストクダイク --- うーん。アイデアやクリエイティブが豊富なところでしょうか。作業のテンションをキープできること、リスクを恐れないこと。

--- ライミ監督の姿勢と通じるものがありますね。ビジュアルエフェクツ・スーパーバイザーとしての立場で、監督との作品で今後挑戦していきたいことはなんですか?

ストクダイク --- 役者がアニメーション相手に演技して、背景がCGみたいな、異なるエフェクトを組み合わせた実験的な作品を作ってみたいですね。前面と背景で違った効果を組み合わせ、複雑な、CGならではの味わいがある、摩訶不思議な作品です。

《高木啓》

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