【レビュー】スマホ防水ケース、その実力は?…三浦半島で水中撮影に挑戦 | RBB TODAY

【レビュー】スマホ防水ケース、その実力は?…三浦半島で水中撮影に挑戦

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今回の撮影に使用した防水ケース。左:スマホ防水ケース(200-PDA117BL)、右:iPhone5防水ハードケース(200-PDA110W)
今回の撮影に使用した防水ケース。左:スマホ防水ケース(200-PDA117BL)、右:iPhone5防水ハードケース(200-PDA110W) 全 24 枚
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 スマートフォン用に販売されている防水ケースを見て誰が思ったか、“スマホを使って海の生き物の撮影ができないか?”と編集長が言い出して、防水ケースとスマートフォンを片手に、海岸を求めて夏の三浦半島におもむいた。

 今回持参した防水ケースは、サンワサプライの直販サイト「サンワダイレクト」で取り扱う、iPhone5防水ハードケース(200-PDA110W)、スマホ防水ケース(200-PDA117BL)の2製品。メーカーのウェブサイトでは、最初に中身を入れないでケース内の防水を確認してから使用すること、対応温度は「30度まで」でお風呂での使用は不可、万一に備え水中での使用は避けるよう呼びかけている。編集部はこのメーカーのありがたい忠告にあえて挑戦し、というか海での使用願望を抑えきれず水中撮影をしてみた!(真似をして損害が発生しても編集部では責任を負えません)。

まず最初にスペックを示しておく。

●iPhone 5防水ハードケース(200-PDA110W)

 iPhone 5防水ハードケース(200-PDA110W)は、防塵・防水の保護等級が「IP58」。防塵性能に関しては最上位の一つ下5級「有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない」で、防水性能は最上位の8級「継続的に水没しても内部に浸水することがない」となる。素材は、ポリカーボネートのハードボディで衝撃性にも強いよう、液晶ディスプレイ面がシリコン素材で仕上げられているのだが、不透明な感じでいまいち表示が見にくく、ゴムのような感触なので操作性もいまいち。

 装着方法は、ケース内でiPhoneが動かないようiPhone本体に専用ジャケットを装着、防水ケースの蓋を閉めたら上部のバーを回してロック、最後にサイドのツメをカチッと折たためば完成。

●スマホ防水ケース(200-PDA117BL)

 スマホ防水ケース(200-PDA117BL)は、防塵・防水の保護等級が「IPX8」。防塵性能はなく、防水性能のみであるが最上位の8級「継続的に水没しても内部に浸水することがない」。素材は、塩化ビニール製でソフトな素材、液晶ディスプレイ部の透明度が高いので、画面が見やすいのと操作性も良いように感じた。今回、こちらにはKDDIのINFOBAR A02を入れて撮影に望むことにした。

 装着方法は、ケースを入れた後、チャックを閉めてチャック部をくるくると巻き取り、2つの面ファスナーをとめると完成。こちらは装着の手順を含めて“これで大丈夫?”と一瞬不安になるがしっかり閉めてあれば大丈夫。まあ、どの製品も一回はスマホを入れないまま、水中に浸してみるテストをおこなった方が良いだろう。

●水中では操作ができない!

 さて、いざ水中撮影に挑戦しようと、水中でシャッターを押してもシャッターがきれない!。両製品とも水中以外ではケースに入れてもタッチパネルの操作が可能なのだが…。

 “うむむ…。これはどうしたことか?”と探っていくと、iPhone 5用のほうは水面に近いところであれば、沈めてもシャッターがきれたが深く(約10cm以上)沈めるとだめということが解った。つまり、ある水深まで入れると水圧によりディスプレイ全面をタッチしていると認識されてしまい操作を受けつけないということなのだろう。

 塩ビ素材の防水ケースは、わずかな水深でもタッチパネルの操作はダメ。ただ、素材が柔らかいことと、端末にサイド部のメカスイッチでシャッターが押せる設定がある場合撮影が可能である。しかし、液晶にタッチしてフォーカスを合わせることができないため、キレイな写真を撮ることは難しい。

 補足だが、水面に浮かべるようにして撮影するのにはシャッターが押せるが、海では波がやってくるので、容易に撮影することができない。やはり、プールや海辺で濡れないようにという用途のみのものなのか・・・。

●動画撮影は楽しい!

 写真撮影がだめなら、“動画撮影はどうだろう?”と、今度は動画撮影に挑戦した!。あらかじめ水に浸ける前に動画撮影をスタートしてあとは水中撮影に専念。これは正解だったようで、動画を確認すると結構雰囲気もあって楽しい。静止画撮影では難しかったフォーカスも、動画なら撮影中も自動で合わせてくれる。海岸では、スタッフが小一時間(仕事を忘れて?)水中生物の探索と撮影に没頭していた。

 撮影した動画を見ると、両製品ともにクリアな映像が撮影できていて楽しいものに仕上がった。気をつけなければならないのは、何回か端末の出し入れをした時に濡れた手で端末を触ったためケース内が曇ってしまったことだ。一旦ケースに入れたらなるべく出し入れしない方が無難のようだ。なお、どういうショットを撮影しているのか、(水面から水中への)細かい確認は難しいと感じた。

●結論

 今回の挑戦では、膝が浸かる程度の水深においては、両製品ともに小一時間、水中撮影をして回っても防水ケース内に水が浸水してくることがないのを確認できた(オススメはしませんが、自己責任でどうそ)。ハードケースの方には、浮き輪となるストラップが付いているのでうっかり水中で手放しても浮かんでくるようになっている。塩ビ素材のケースにも浮き袋が付いているのだが、汎用であるためスマホの重さによっては沈んでしまうものもありそうなので、実際に浮くかどうか使用前に一回テストしてみる必要がありそうだ。

 今回テストした2製品の全体的な印象は、ソフト素材のケースは液晶画面がよく見えることと、メカスイッチを操作できるのが利点であるように感じた。一方、衝撃性能でいうとハード素材の防水ケースのほうが安心感が高い。

 どうしても画面タッチで操作するようにできているスマートフォンは、その操作性を海中・水中撮影でも維持するのは設計ハードルが高いのかもしれない。しかし、これだけスマートフォンが普及したのだから、水中・海中でも使用可能なお手頃価格の製品が登場してくることを望む。


《編集部》

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