レディオヘッドが協力、“水没する楽園”モルディブの危機に立ち向かう
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インド洋に浮かぶ島国、モルディブ共和国。1200のサンゴ島からなり、“地上の楽園”とも呼ばれるこの国は、海面が1m上昇すると国土の80%が水没、2100年には全国土が水没すると予測されており、今かつてない大きな危機に直面している。そんな中、立ち上がったのが、先の独裁政権に反対する民主化運動を20年にわたって主導し、41歳の若さでモルディブ大統領となったモハメド・ナシードだ(現在はクーデターにより離職)。
ナシードが闘ったのは、手ごわい相手“海”と、CO2排出規制に及び腰な大国の首脳たち。カメラは、2009年、コペンハーゲンで行われた第15回COP15(気候変動枠組条約締約国会議)をはじめ、ナシードが時に強硬に、時に柔軟に、情熱と現実的・長期的なヴィジョンを持って国の現状を訴え、交渉に当たる舞台裏に密着。そこには、ユーモアにあふれた親しみやすい人物でありながら、本物の“政治家”ともいうべき姿が映し出されている。
また、昨2012年の第25回東京国際映画祭でエコロジーや自然との共生をテーマにした「natural TIFF部門」に正式出品された本作は、音楽を英国のロックバンド「レディオヘッド」が全面協力。本作のジョン・シェンク監督は言う。
「初めて飛行機からモルディブを見たとき、僕はレディオヘッドを聴いていたんだ。彼らの夢幻的な別世界のような音楽が好きなんだ。それでいてすごく現代的でボーダレス的な感じで。それで思ったんだ、『もし彼らの音楽をこのフィルムに使えたら、別のレベルに連れていってくれる』とね」。
レディオ・ヘッドのフロントマン、トム・ヨークは環境問題に熱心なことでも知られているが、当時、実際に彼はコペンハーゲンに出向いており、まさに監督らが撮影している期間にナシードに直接会いに行っていたという。
「彼らの音楽をのせた映画のサンプルを見せたら、気に入ってくれたんだ。それをきっかけに、映画で部分的に彼らの曲の何曲かを使えないかお願いしたら、彼らは惜しみなく提供してくれた。永久に感謝するよ!」と、シェンク監督はその経緯を明かした。
全編を通じて流れるレディオヘッドが演出する、“楽園”と称される島の美しさと、国の運命を握る緊迫した政治の局面。その絶妙なコントラストを、劇場で確かめてみてほしい。
『南の島の大統領-沈みゆくモルディブ-』は8月10日(土)より新宿K's cinemaほか全国にて順次公開。
《text:cinemacafe.net》
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