「安心・安全を具体化したかった」……「GALAXY J」が追求した“日本仕様” | RBB TODAY

「安心・安全を具体化したかった」……「GALAXY J」が追求した“日本仕様”

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緊急時長持ちモード時の待受画面
緊急時長持ちモード時の待受画面 全 9 枚
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 31日、ドコモから発売されたAndroidスマートフォン「GALAXY J SC-02F」。“J”という名前からも分かるように、ドコモがサムスンと協力して開発した、GALAXYシリーズとしては初めての日本オリジナルモデルである。

 同端末は、最新のAndroid OS 4.3、2.3GHz クアッドコアCPU、さらに3GBのRAMを搭載。ディスプレイも約5インチのフルHD 有機ELを採用するなど、単純なスペックだけみてもかなりハイエンドの端末であると言える。では、どういった部分が日本オリジナルなのか。NTTドコモ プロダクト部 プロダクト企画担当主査 山崎裕司氏と、プロダクト部 第二商品企画担当 寺岡淳氏に話を聞いた。

 まず、日本向けモデルを共同開発した経緯について聞くと、「これまでGALAXYシリーズはどちらかと言えばリテラシーの高い先端層をターゲットとしていましたが、スマートフォン市場の裾野が広がっている中で、幅広いユーザー層にもアプローチする必要が出てきました。そこで、GALAXYの先端的な機能と、ドコモが持つ日本市場に関する知見を組み合わせて、日本を戦略的に攻略するモデルをやりたいという話になりました」(寺岡氏)とのこと。確かに、いまやスペックでの競争は横並びになってきている印象があり、ユーザーの関心を引き寄せるためには、デザインや独自機能など、スペック以外の部分で多岐に渡る工夫が必要だ。その上で、GALAXY Jに関しては「日本人が使いやすい」というところが一番のキーポイントになっている。

 今回、GALAXY Jには、ブロックデザインと呼ぶ日本人の手に馴染みやすいボディデザインや、文字入力キーボードの切り替えが不要な「8フリック」モードなど独自の要素がいくつか採用されている。デザインについては、筆者も実機を手に取って確かめてみたが、ラウンドフォルムを特徴としてきたこれまでのGALAXYシリーズとは明らかに異なる印象を受けた。持ちやすさは問題なく、派手すぎないシックなカラーリングも好印象。中身についても、“ぬるぬる”とした心地よい操作性は健在。「8フリック」は最初に触った時は少し戸惑いも感じたが、慣れてしまえば確かに便利で入力スピードも上がった。店頭の女性スタッフからは、「こういったカラーリングを待っていた。ブロックデザインで可愛いらしい印象になっている」といったフィードバックもきているそうだ。

 GALAXY Jにはもう一つ、「緊急時長持ちモード」という特徴的な機能が搭載されている。液晶の白黒化/利用アプリの制限/バックグラウンドでの通信の制限、これらによって電池の持ち時間を長くする機能で、「GALAXY J」と「GALAXY Note 3」にのみ搭載。ドコモが検証したところによると、通常時と比べるてと電池消費量を約50%削減でき、電池残量30%の場合でも、待受状態で約5日間の電池持ちを実現したという。「一つのテーマとして、安心安全を具体化できないかという話がありました」(寺岡氏)と、日本オリジナルモデルを考える時に、ライフラインでもある携帯電話を少しでも長持ちさせる機能を検討したとのこと。

 同モードはとにかく“1分1秒でも電池を長く持たせる”ことに主眼が置かれており、ドラスティックに白黒化され、画面遷移もできない。利用できる機能は9つに制限されるが、そのうち7つは「ダイヤル」「連絡先」「SMS」「spモードメール」「災害用キット」「ワンセグ」「ブラウザ」といった必須アプリ。残り2つについてはSNSアプリを中心に選定された中からユーザー側で設定できる。「TwitterやFacebookなどいわゆるSNSは、情報収集ツールとして優れているので、緊急時でも使えるようにしました」(寺岡氏)。「災害用キットの伝言板などは、緊急時に特化したサーバを利用していて、パンクしてしまわないようにネットワークを制御しながら運用するものです」(山崎氏)。など、とにかく緊急時を想定して最適化が図られている。「今回の冬モデルの中でもトップクラスの電池持ちを実現しました」(山崎氏)。

 GALAXYの日本向けモデルの初号機となった「J」。「日本発信として、グローバルプレイヤーに機能をつけてもらうことは、実は大きな目標の一つです」(寺岡氏)というように、たとえば「緊急時長持ちモード」にしても、日本以外に地震や台風など自然災害の多い国へ広がっていく可能性もある。今後は、市場の反応をみながらフィードバックをかけて、次回以降の開発も検討していくとのことだ。

《白石 雄太》

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