【ET2013 Vol.2】車輪型広告プラットフォーム LED電飾残像広告 | RBB TODAY

【ET2013 Vol.2】車輪型広告プラットフォーム LED電飾残像広告

ブロードバンド テクノロジー
自転車の車輪に広告を載せるという目からウロコの発想だ。後輪にキリンのイラストの残像で描き出されている
自転車の車輪に広告を載せるという目からウロコの発想だ。後輪にキリンのイラストの残像で描き出されている 全 6 枚
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 11月20日より3日間、パシフィコ横浜にて「Embedded Technology 2013/組込み総合技術展」が開催されている。本展示会では、さまざまな組込み機器やシステムが出展されているが、ここでは自転車の後輪にLEDの電飾広告を載せるユニークなプラットフォームについて紹介しよう。

 福島県会津若松市のベンチャー企業、Eyes, JAPAN(アイズジャパン)が開発した車輪型広告プラットフォーム「FUKUSHIMA Wheel」は、自転車の後輪を利用して、観光や環境の情報を表示できるユニークなシステムだ。

 自転車のペダルをこぐと、後輪のスポーク部に付いた十字型のLED(32個×4)基盤が点灯し、回転するLED光の残像によってメッセージやイラストが表示される仕組みだ。iPhoneから本体コントローラに表示させたい画像を送ると、その画像どおりのLED広告が電飾として現われる。

 実はこの「FUKUSHIMA Wheel」は、復興庁の「平成25年度 企業連携プロジェクト支援事業」にも採択されている。3.11以降、東京電力の原子力発電所の事故によって、放射線に対する意識が一気に高まった。東北地方では、どのくらい被害を受けたのか、その状況を把握するためにモニタリングポストが設置されている。しかし、これらは固定場所での測定となり、スポット的な数値しか確認できない。そこで放射線センサ(このほか窒素化合物・一酸化炭素・気温・湿度センサもある)が付いたコントロールボードを自転車に取り付け、レンタル自転車に乗って環境を調査してもらおうと考えているそうだ。

 コントロールボードは、セーフキャストが開発した放射線測定器をベースにしたもので、Eyes, JAPANにて各種センサーを追加した。センサーで取得した環境データは、無線でスマートフォン側に送られる。さらにクラウド上にもデータが集約されるため、将来的にビッグデータとして、さまざまな環境分析が行えるようになる。冒頭のLED電飾広告は、このプロジェクトの運営費などにあてらるものだという。自転車で走る広告塔のようなビジネスモデル自体も面白いが、これは地元の環境計測という重要な社会貢献を担うプロジェクトとして、まさにピンチをチャンスに変える有意義な試みになるだろう。

《井上猛雄》

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