【レビュー】軽さは?Wi-Fiスピードは? iPad Airを使ってみた
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主にマンガ用の観点から10インチというサイズを語ってきたが、大型ディスプレイは、やはり大画面を活かした高精細コンテンツと相性がいい。そして、高精細コンテンツは、同時にそれを描画するだけの性能を求められる。
ここ数年のモバイル端末の進化は激しく、黎明期に比べると圧倒的に安定感があり、ストレスを感じる場面は少なくなっている。通常のブラウジングやフルHDを含む動画の動画の再生に関しては、すでに現状のスマホでも快適に見られるようになっており、スマホ・タブレットの性能競争はひと山超えたという印象がある。
だが、3D描写が絡んでくるコンテンツになると、スペックが追いついていないと感じることも多い。たとえば、スマホ向けに増えている3Dゲームや、グーグルアースなどのアプリを使っていると、処理にラグが生じやすい。
iPad Airを使ってみて驚くのは、こうした3D描写を含むアプリが圧倒的に快適だという点。地球儀を回す感覚で使えるグーグルアースだが、スマホでは反応が悪くなる場面も多く、クルクル回す楽しさを十分に味わえないことも多かった。だが、iPad Airで使ってみると、本当にサクサク動く。正直、古いPCで触っているよりもずっと快適で美しい。
普段使いでサクサク動くのはもちろんだが、3D表現を含む高精細コンテンツを存分に楽しむという点で、A7チップは9.7インチディスプレーの真価を引き出す決め手になっているといっていいだろう。
■MIMOの存在は案外リッチコンテンツ以外にも大きな武器かも
そして、もう1点、地味ながらも大きな進化がある。Wi-Fi通信の強化だ。iPad Airでは、iPadとして初めてMIMOという通信技術に対応している。PCなどではすでにおなじみの技術で、通信アンテナを複数搭載することで、同時に通信できるデータ量を倍増させるものだ。
モバイル端末でリッチコンテンツを扱う場合、スペックと同レベルでボトルネックになりやすいのがネットワークだ。端末での処理が速くても、ネットワークが遅ければ結局体感としては「重い」ということになる。
コンテンツビューアとしてのタブレット端末は、自然と重いコンテンツをたくさん扱うことになる。マンガの電子書籍なら1冊40MB前後、映画などなら数GBになるものもある。DL速度は速ければ速いほど快適だ。
今回、自宅の光環境でテストしてみた結果だと、下り48.86Mbps、登り39.21Mbpsとまずまずのスピードを記録。大型コンテンツもサクサクダウンロードできた。
ちなみに、少し意外だったのは、ブラウジングの体感スピードも向上したように感じられるところだ。一般的なサイトを閲覧するだけなら、すでにLTE回線でもそれほどストレスを感じないほど高速化されており、もはや回線速度がこれ以上上がっても劇的な変化はないと思っていた。だが、実際に使ってみると今までよりもサクサクとした動作と感じる場面が多かったのだ。とりわけ、広告バナーなどの多いサイトを巡回すると、反応の良さに驚く。スペック面の向上による部分も大きいだろうが、通信速度の進化は、案外小さなところにも影響を及ぼしていると感じられた。
スマホ的な運用を考えるなら、10インチクラスのディスプレーも、A7チップもオーバースペックといえる部分がある。取り回しを考えても、7インチがちょうどいい。だが、持ち運べるコンテンツビューアという視点から見ると、iPad Airは非常に魅力的で、現時点でまさに本命と呼ぶべき実力を持っている。
《小林聖》
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