「NOLTY」に進化した「能率手帳」---製造工程を見る
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「NOLTY」というブランド名の由来は、「New style(新しいスタイル)・Original(そしてたったひとつの存在で)・Life Time(ずっと毎日)・Your will(あなたの想いを叶えたい)」それぞれの頭文字を取って名付けられている。
長年ビジネスマンのスケジュール管理を支えてきた「能率手帳」改め「NOLTY」。65年の長きにわたり“愛され続ける理由”とは何なのか? その“秘密”を知るために、筆者はNOLTYを製造している新寿堂の工場へ向かい、日本能率協会マネジメントセンター NPB事業本部 NOLTY企画部長の二宮昌愛氏と、新寿堂 取締役 生産本部 本部長の雲野正夫氏に話を聞くことができた。
●素材から開発
--- 手帳の製造においての、貴社ならではの“こだわり”とは?
「やはり一番最初は素材です。紙は製紙会社さんと一緒に設計から製造過程まで二人三脚で作ったオリジナルの紙を使っています。手帳には鉛筆や、油性・水性のボールペン、万年筆など、いろいろな筆記具が使われるので、いろいろな筆記具でも対応できるような設計で作っています。そして、紙の製造工程では、表と裏は作り方が違っているので、その表と裏の書き味の差がないようにしています。表紙には革を使ったり、ビニールを使ったりしていますが、使っているビニールも強度などをテストして、それに適する素材を使っています」
--- 「手帳に適した表紙」の重要点は持ちやすさ? 扱いやすさ?
「一番重要なのは耐久性です。手帳は一日に何回も開くので、それに耐えられるような厚さに設定しています。それと、加工に適しているものです。ビニールの用途はいろいろありますが、車の内装や生活用品に使われるビニールと、手帳に使われるビニールの配合は違います。車の内装を作っている工場にいきなり『手帳の表紙を作ってください』と言っても条件が違ったり配合が違ってくるので、作れないんですよ」
●10年ぶりに新用紙を開発
--- 紙の薄さや質について、手帳のシリーズやサイズごとに使い分けているのですか?
「大きい製品は、紙が薄くなるとページが捲りにくくなったりヨレてしまうので、コシがある紙にしています。若い人向けで発色がいいインクを使う製品には、『ホワイト』という用紙を使っています。また、今回新しく『ノルティ用紙』という新用紙を開発しました。用紙には数字上のスペックと、数字で出せない感覚的なものがあって、『書き味』というのは後者で、五感に頼るしかないんですよ。以前、書き味テストを220人に行ったところ、他社の紙を含めてトップだったのは大判のダイアリーに使っている手帳用紙でした。その書き味で、一番薄くしようとして作ったのが、このノルティ用紙です。現在、12アイテムに使っています。新用紙開発はしょっちゅうやるようなことではないので、この『ノルティ用紙』も、10年以上ぶりに作った用紙なんです」
《浦和武蔵》
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