日本のベンチャー支援が遅れている? 世界の波に乗るために | RBB TODAY

日本のベンチャー支援が遅れている? 世界の波に乗るために

エンタープライズ その他
砂金信一郎氏
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 早稲田大学知的資本研究会とナレッジマネジメント学会による、スマート時代におけるナレッジマネジメントやサステナビリティ社会についての講演が11月25日、東京・早稲田大学で開催された。日本市場は世界のビジネストレンドに沿っておらず、ベンチャー支援が必要だと提案された。

 講演会にはマイクロソフトのエバンジェリストとして起業家支援を行なう砂金信一郎氏、エンタープライズソーシャルのビートコミュニケーション代表取締役の村井亮氏、ナレッジマネジメント学会理事の山崎秀夫氏が登壇した。

 砂金氏によると、日本への進出を見送るグローバル企業が増えているとのこと。日本は規制や税制でのデメリットが多いからだそうだ。山崎氏もスマートテレビを例に、日本では数々の制約があるという。山崎氏によると、グーグルテレビ(現アンドロイドTV)に「放送業界が顔をしかめた」ため、メーカーが発売できない。村井氏も、パートナー企業が日本上陸を検討した際、日本業界における規制や高い法人税が進出を断念させたと語る。

 村井氏によると、アップルやアマゾンなど新規産業が成長するにつれ、書籍やCDをはじめ、旧ビジネス形態の企業が苦境にある。また新サービス産業は効率的に運用され、旧産業で生じた失業者を吸収するには至らないので、それら失業者を吸収するにはもっと多くのベンチャーが必要だという。

 そのためには、政府によるベンチャー支援おいて、「技術や経営を理解している者が目利きをし、世界に通用する企業を選ばなければならない」と村井氏は主張する。同時に、業界の自由競争を阻むような規制は減らし、世界の変化へ適応できるようにしないとならないともいう。企業の組織についても、「何でも自前の垂直統合型企業ではなく、アップルやユニクロのような、コストを抑えられる水平分業型の企業が生き残る」と指摘した。さらに村井氏は、クリエイティブな人材が育つために教育も変化しなければならない、という。「働く気のない人達まで保護する政策は効果がない」とも。

 質疑応答で「地方で新規産業は生まれないのか?」という問いに対して村井氏は、東日本大震災でエンタプライズソーシャルが安否確認や被災地支援に使用されたことを紹介し、地方でもテレビ、カーナビ、風呂や電化製品などが連携するソーシャルプラットフォームなどの、新規産業への支援を提案する。「災害大国でもある日本が地方から生まれ変わるには、平時からこのような施策が必要だ」と答えた。

《高木啓》

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