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【インタビュー】ケイ・オプティコムが全国展開を狙う!IP電話アプリ「LaLa Call」

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ケイ・オプティコム コンシューマ事業推進本部 チームマネージャー 江口忠博氏
ケイ・オプティコム コンシューマ事業推進本部 チームマネージャー 江口忠博氏 全 8 枚
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■電話機としての基本的な通話機能を押さえ、携帯電話の代替として全国展開を目指す

 さて今回、ケイ・オプティコム本社にてLaLa Call開発者にインタビューの機会を得たので、紹介したい。インタビューに応じてくれたのは、ケイ・オプティコム コンシューマ事業推進本部 コンシューマ事業戦略グループの江口忠博氏、直井健太郎氏、前田圭介氏の3名。

――なぜ、このタイミングで050電話サービスを始めたのでしょうか?

江口氏:弊社は光固定回線を中心にサービスを進めていますが、ご存知のとおりスマートフォンの普及が著しく(総務省の調査ではスマートフォンの世帯普及率は49.5%に上る)、それに対応するサービスをご提供したいというのが、まず1番の目的でした。

直井氏:LaLa Callの開発は2年ほど前からスタートしました。若干当初の予定より開発が遅れたのですが、iPhoneも盛り上がっていて、結果的にちょうど良いタイミングでリリースできたと思います。我々の固定回線サービスをお使いの関西圏の方以外にも、サービスを展開していきたいと考えています。ターゲット的には、LINEユーザーよりも少し上の世代、30代、40代を中心に狙っています。

――LaLa Callの特徴となるところや、貴社ならではの強みはありますか?

江口氏:もちろんIP電話アプリケーションですから、まず通話料の安さが大きな特徴です。携帯電話から固定電話へかける場合30秒で21円ですが、LaLa Callならば3分で8円ほどで全国にかけられます。携帯電話へかける際も通常より安いのでメリットがあります。

前田氏:競合があまりサポートしていない機能として、電話帳から無料接続先を判別できる機能を付けました。これは、お客様が積極的に使ってみたいと思っていただけるような仕組みとして考えたものです。料金表示に関しては他社でも用意されていますが、我々のトクトク表示機能は通話終了ごとに表示されるので、よりお得感を感じていただける分かりやすいものになっていると思います。

直井氏:LaLa Callは最大10人までのグループでメッセージを交換できるトーク機能を備えています。写真や動画を添付したり、位置情報を付けたりすることも可能です。ただし、この分野ではLINEが普及していますから、これで勝負するというよりも、あくまで通話機会を増やしていただけるように付けた機能です。やはり基本は通話をメインにしてご活用いただきたいということです。

前田氏:そういった想いもあって、LaLa Callには非通知着信拒否、転送といった一般的な携帯電話で付いている基本機能についてすべて無料で使えるようにしています。また、不在着信があった場合に、指定のメールアドレスへメールを送信する機能や、留守番電話に録音された内容を、メールに添付して送信する機能も備えています。

江口氏:音質面も強くこだわっているところです。メーカーごとにチューニングして最適化しています。Android端末やiPhone端末との組み合わせ、携帯電話から固定電話、携帯電話から携帯電話、経由の仕方でも音の品質が異なってきます。代表的なものは細かくチューニングしてキレイな音声になるように仕上げています。条件によっては通常の音声通話よりクリアに聞こえることもあり、概ねご好評いただいているようです。

――アプリケーションのインストール状況(登録ユーザー数)はいかがでしょうか?

直井氏:まだ、そこまで宣伝をしていない状況ですが、もうすぐ2万ユーザーに届く勢いです。Android版を9月に、続いてiPhone版を11月にリリースしました。どちらもアプリケーションに差はありませんが、iPhone版が出てから利用者が伸びているようです。やはり地域的には、関西でeo光を展開していることもあり、約9割が関西圏で、残りの約1割がその他の地域でご利用いただいています。

江口氏:具体的な数値目標ですが、3年間で60万ユーザー程度を目指しています。eo光には、現時点で145万件の家庭に加入していただいております。世帯あたり2台の携帯電話で合計300万台があるとすれば、達成できない目標ではないでしょう。ご家庭で誰かが利用すれば他の人にもメリットがあるので、さらに加入が増えていくと思います。関西の弊社ユーザーを基盤に全国に広がっていくことを期待しています。

――その他LaLa Callの活用法、特徴はありますか?

江口氏:自宅以外の通話先として、この時期では忘年会の予約などを入れるために外食店などに電話をかけるケースが意外に多いと思います。

前田氏:活用法ではありませんが、初期設定で050の電話番号を取得する際に、自分の好きな番号を選べるようになっています。画面デザインのカラーもビジネス用、カジュアル用というように好みに変更することが可能です。

――最後に今後の展開や抱負について教えてください。

江口氏:技術的には、もっと音声面の品質を高めていきたいです。これまでも機種ごとの個別チューニングを行っていますが、まだ品質を上げるられると考えています。スマートフォン自体は今後どんどん普及していくと思います。弊社として全国展開していくために、このアプリケーションの中でさまざまなサービスを連携させていく方向です。

前田氏:弊社は、これまで固定回線をメインに売っていましたが、アプリケーションということで全国展開も狙えるのではないかと考えています。いまLaLa Call以外にも、他のアプリケーションとして大阪マラソン公式の「ハシログ」もあります。これはGPSでランニングのルートを記録し、走った距離を音声で示せるものです。今後は、もっといろいろなアプリケーションを拡充したいですね。

直井氏:たとえばeoスマートリンクのようなタブレットのサービスも提供していますから、EC系での連携も考えられるかもしれません。これまでは世帯だけでしかアプローチできませんでしたが、今後はLaLa Callをトリガーにしてパーソナルでの連携も見据えていきたい。関西の企業ということもあり、まずは地域性を重視しながら進化させ、全国へと認知度を広げていけたらよいと思います。
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《井上猛雄》

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