【木暮祐一のモバイルウォッチ】第43回 視覚・聴覚障害者向けiPad活用の取り組み
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こうしたニーズに応えるべく青森県は今年度、誰でもが情報にアクセスできる社会を目指そうと、視覚・聴覚障害者に対するICT利活用の支援として「視覚・聴覚障害者向けにiPadを教えることができる人材の育成」に乗り出した。これはiPadのアクセシビリティ機能を知ることで、身の回りにいる障害者にタブレット端末等の活用を支援したり、使い方を伝えられる人材の育成(対象は健常者)を行ったりするというもの。タブレットPCは、手軽にインターネットやメールを利用できる有用な情報機器だ。中でも、iPadやiPhoneに搭載されるiOSのアクセシビリティ機能は優れている上、これに対応したアプリも多い。ディスプレイのアイコンを指で操作するスマートフォンやタブレット端末が、全盲の視覚障害者でも操作できるようになるというと信じ難いかもしれないが、実際にアクセシビリティ機能を使えばメールを音声で聞いたり、Webの内容を聞いたりという使い方が可能なのだ。
筆者もiOSにアクセシビリティ機能が搭載されていたことは承知していたが、実際にこの講習会を取材させていただきその有用性を理解することができた。視覚障害者向けのアクセシビリティ機能であるVoiceOverは、iOSの「機能」→「一般」→「アクセシビリティ」→「VoiceOver」を選択して設定する。ディスプレイを触ると、触れたところのアイコンが選択されアプリ名と機能を読み上げてくれる。アプリが選択された状態でディスプレイをダブルタップするとアプリが起動する。画面をスクロールさせるには3本指でスワイプするなど操作方法が大きく変わるので最初は戸惑うが、Webや電子書籍(kindleなど)を読み上げてくれるので使い方によっては健常者でも便利に使えるシーンが考えられ、VoiceOverに対応したアプリも増えている。また「アクセシビリティ」内の「ズーム機能」をオンにすると、ディスプレイ上の任意の場所を大きく拡大できるので弱視の人も利用できる。聴覚障害者向けには、画面に手書きで書いた文字等がリアルタイムに反対側に表示され、対面で筆談ができる「筆談パッド」などのアプリが紹介された。
《木暮祐一》
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