Google社員に聞く、子どものネット利用の注意点と対策 | RBB TODAY

Google社員に聞く、子どものネット利用の注意点と対策

ブロードバンド セキュリティ
グーグルのプロダクト マネージャー、バウ・ケンジ氏
グーグルのプロダクト マネージャー、バウ・ケンジ氏 全 6 枚
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 子どもたちは、生まれたときから身の回りにパソコンや携帯電話があり、インターネットという言葉を知らないうちから、動画やインタラクティブなコンテンツを楽しんだり、何でも手軽に調べられることが、当たり前のこととして、インターネットに親しんできている。

 保護者は、お子さんが熱心に見ているパソコン画面に、見てほしくないような絵や写真が表示されていてドキッとした経験が、一度はあるのではないだろうか。そこにはさまざまな危険が潜んでいることを、知らない子どもは多い。そして私たち大人も、急速に変化を続けるインターネットの世界を、十分に理解しているとは言い難い。

 そこで、インターネットを知り尽くしたグーグル(Google)社員で、かつ小学生のお子さんをおもちのバウ・ケンジ氏に、子どものネット利用の注意点と対策を聞いた。親子で過ごす時間がたっぷりとある年末年始に、インターネット利用について今一度、考えるきっかけにしていただきたい。

◆子どもを守るためのツールとサービス

 Googleでは、インターネットの安全を守るために年間数億ドルを投資し、毎日増え続けるウェブサイトの安全性の調査や、安全に利用するための便利なツールやサービス、情報の提供など、さまざまな取組みを行っている。その詳細は、「オンラインでの安全性とセキュリティを確保する」というページで説明されているが、その中から、子どもを守るためのツールとサービスを紹介しよう。

・セーフサーチ
 アダルトコンテンツを含むサイトを選別してフィルタリングし、露骨な性描写を含む動画や画像、不適切なコンテンツにリンクされている可能性のある検索結果が表示されないようにする機能。設定を解除するには、パスワード入力を要求するようにセーフサーチロックも行える。ロックすると、検索結果ページの右上にカラフルなボールが表示され、少し離れたところからでも、セーフサーチがロックされているかどうかが確認できるようになっている。

・YouTubeのセーフモード
 セーフサーチとは別に、YouTubeにあるセーフモードは、成人向けコンテンツを含む動画や年齢制限のある動画が、動画検索、関連動画、再生リスト、番組、映画に表示されないようにする。YouTubeサイトの各ページのフッター部分で、簡単にオンにすることができる。こちらも、勝手に設定を解除されないようにロックしておくことが可能だ。

・監視対象ユーザー(ベータ)の作成
 さらに、子どものウェブ上の動作を監視・制限する強力なツールもある。Googleアカウントをもつユーザーが管理者となって、Google Chromeでの操作を監視するユーザーを作成し、閲覧履歴を確認したり、特定のサイトへのアクセスをブロックしたり、許可していないサイトへのアクセスのリクエストに対し、その都度、承認または拒否することなどができる。監視対象ユーザーごとの履歴確認や詳細な設定は、ダッシュボードという画面で行える。ユーザーを作成するだけで、セーフサーチは既定でオンになるのだが、すべてのサイトが表示可能になっているため、アクセスできるサイトをホワイトリスト方式で指定することが必要だ。少々手間がかかるが、きちんとリストアップして設定しておきたい。

 いずれも無料で利用できるので、気軽に試してみてはいかがだろうか。

◆安全なインターネット利用のために

 今回インタビューしたグーグルのプロダクト マネージャー、バウ・ケンジ氏はフランス人で、日本人の奥様との間に小学3年の女児と5歳の男児がいる。お子さんのインターネット利用にあたり、安全性とセキュリティを確保するためのヒントとなるよう、バウ氏ご自身の家庭のようすも聞いた。

 バウ氏の家庭では、夫婦それぞれのパソコンと、家族共用で使っているタブレットを所有。長女は、インターネットはパソコンで使うことが多く、その際はできるだけバウ氏か奥様が側につくようにしている。まだ1人で自由に使わせてはいないそうだ。もちろん、YouTubeのセーフモードはオン、セーフサーチもロックしている。

 使用時間の制限は特に設けてはいないが、だらだら何となく使うのではなく、明確な目的をもって使うことを大切にしているという。今は、YouTubeで外国の科学に関する番組を観るのがお気に入りで、「フランス語や英語の勉強にもなるし、科学への興味を大事にしてあげたい」とバウ氏は言う。そして、インターネットを利用するうえでのルールや危険については、折りを見てきちんと伝えたいと語っていた。

 Googleが提供する、ネットの脅威から子どもを守るツール類は強力で、何から何まで厳しく制限してしまうこともできる。だが、「決して制限だけが目的ではなく、そのことを子どもと話し合うきっかけにしてもらうことに期待している」とバウ氏。子どもとコミュニケーションをとる中で、各家庭でそれぞれのルールを作り、インターネットを安全に使うための知識や方法を考えていくことが、やはり何よりも重要だろう。

《鈴木 良子》

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