【インタビュー】2年後には全ての基地局がWiMAX2+に!速度も2倍の220Mbps……UQ野坂社長
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データ通信やモバイルルーターとして圧倒的なパフォーマンスを示したUQ WiMAXだが、その受賞理由や今後の事業戦略についてUQコミュニケーションズ 代表取締役社長 野坂章雄氏を直撃した。
■女性ユーザーも増加し、裾野広げる
――モバイルアワード3年連続の受賞になります。今回は、データ通信やモバイルルータ関連の部門で最優秀賞を含む多くの賞を受賞しましたが、その要因はどこにあると思っていますか?
野坂氏:今回は、WiMAX回線の料金、スピード、エリアなどに加え、ルータなどデバイスも高く評価されたことに意味があると思っています。たくさんの項目についてバランスよく評価していただけたことは素直にうれしいです。
――WiMAXサービスについて、利用者の反応はどうでしょうか。
野坂氏:WiMAXのユーザーは、どちらかというとヘビーユーザーというかリテラシーの高い層、先端技術好きといったモバイルユーザー全体の中ではハイエンドな人が多かったのですが、今は女性も増えるなどずいぶんと裾野が広がってきています。また、若い世代を中心に固定回線を敷かずにクレードルを使ってWiMAXルーターだけで済ませてしまうスタイルも広まっているようです。出かけるときはWiMAXルーターを持っていき、帰宅したらクレードルに置いて利用するといった使い方です。ネットにつなげるという点では、固定回線、モバイル回線という区別はなくなっているのかもしれません。
――モバイル回線ではドコモのLTEが150Mbpsというサービスをスタートさせています。そんな中でWiMAXの強みや差別化ポイントはどこにあると思いますか。
野坂氏:確かにスペックスピードだけならLTEもWiMAXに拮抗してきています。ただ、帯域制限の問題などからLTEは動画視聴などにはまだ向いていないといえるのではないでしょうか。仮に150Mbpsで動画再生がストレスなくできたとしても、制限にひっかかってしまい見られなくなるなら、安定して視聴できるほうがよいでしょう。実は、スマートフォンのテザリングが話題になった2年くらい前は、LTEに市場が喰われてしまうという懸念があったのですが、現実問題としてスマートフォンはバッテリーが長持ちしない、帯域制限などがあります。スマートフォンは、携帯電話という音声サービスを利用するデバイスとして3G、LTEに進化してきました。WiMAXは最初からデータ通信オンリーです。WiMAX、LTEそれぞれに得意・不得意があると思っています。そのため、スマートフォンとルータを両方持っている方も少なくありません。ユーザーは、目的やシチュエーションによっていろいろなデバイスやネットワークを使い分けているようです。
――帯域制限がないというメリットはわかります。しかし、WiMAX2+では2年後(25か月後)に帯域制限を導入する可能性があるとアナウンスされています。その意図はどこにあるのですか。
野坂氏:今後はモバイルでの動画視聴はさらに広がるでしょう。YouTubeをつなぎっぱなしするユーザーも出てくるかもしれません。動画のOTTサービスも増えるでしょうし、さまざまなコミュニケーションアプリやサービスでも動画を扱うようになるでしょうが、グローバルでみても帯域制限や部分的な従量課金といった動きは避けられないものとなってきています。その中で、サービスや製品を売らんがために必要な情報を発信しないということは通信キャリアとしてはできません。もちろん、将来、設備やサービスへの投資を行い使い勝手も良くしていくつもりです。幸いにも、現在量販店でのデバイスの動きを見ても半分くらいがWiMAX2+を選んでくれています。それと、強調しておきたいのは、WiMAX2+については帯域制限をかける可能性を表明していますが、従来からのWiMAXの無制限は変更ありません。
――WiMAX2+のエリア展開について教えてください。
野坂氏:10月現在でWiMAX2+に対応した基地局は500局ほどです。これを12月には約1,500局まで増やしていきます。さらに来年3月までには東名阪を中心に7,000局まで増やす計画です。7月に総務省から20MHzの追加帯域の免許を受けましたが、実は各地域でその周波数帯を使うには地域ごとに手続きが必要なのです。対応基地局自体は、既存のWiMAXアンテナを設置している場所にWiMAX2+用のベースバンドユニット(BBU)とリモート無線局(RRH)を追加する形ですので、工事は比較的簡単なのですが、地域ごとの手続きのための時間が必要です。現在UQの基地局は全国に21,000局ほどありますが、2年くらいをメドに全部をWiMAX2+対応にしたいと思っていますが、これを少しでも前倒しで進めたいと思っています。このとき、都市部は既存局を利用しますが、地方は増設で対応するかもしれません。
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