【インタビュー】2年後には全ての基地局がWiMAX2+に!速度も2倍の220Mbps……UQ野坂社長 2ページ目 | RBB TODAY

【インタビュー】2年後には全ての基地局がWiMAX2+に!速度も2倍の220Mbps……UQ野坂社長

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代表取締役社長 野坂章雄氏
代表取締役社長 野坂章雄氏 全 4 枚
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――デバイス戦略についても教えてくれますか。WiMAX2+対応の製品の予定などは考えていますか。

野坂氏:デバイスについてはベンダーごとの考えや戦略しだいですので、実際にどうなるかはわかりませんが、UQとしては、PC内蔵のモジュールのWiMAX2+化は進めて行きたいです。WiMAXのときも搭載モデルは非常に成功しました。また、WiMAXの本来の目的のひとつに通信モジュールとしての活用もありました。今でいうM2Mの用途ですね。サイネージや自動販売機などにも積極的にWiMAX2+を展開していきます。また、デバイス戦略ではないですが、WiMAX2+のMVNOを強化します。これもWiMAXで成功しているモデルなので、量販店とのパートナーシップを活用していきます。量販店としては、機器や製品の販売だけでなく毎月の通信料の取扱がビジネスポートフォリオを広げてくれるものとして評価してもらっています。12月からはイオンモールでもWiMAX2+の契約や端末が購入できるようになりますので、ユーザーにとっては量販店やショッピングモールなど身近なところで購入しやすくなるでしょう。

――MVNOの話がでましたが、イー・モバイルとウィルコムが統合されましたが、これはUQにとって脅威となりますか。

野坂氏:同じ通信事業者として、量販店などではイー・モバイルとUQのモバイルルータ―は熾烈な争いをしていると思います。我々も「スマートバリュー mine」としてauのスマートフォンと両方の契約でスマートフォンの通信料を割り引くといったタイアップ販売を実施していますし、サービスやオプションの選択肢が増えるという点でユーザーにとっては望ましい競争といえるのではないでしょうか。両社の統合がUQのビジネスにどのような影響を与えるのか予想はできませんが、お互いにとって新しい形のサービスやビジネスの刺激にはなると思っています。市場が活性化するという面もあるので一概に脅威ということにならないと考えます。

――最後に今後のプランについて教えてください。

野坂氏:現在WiMAX2+は110Mbpsのサービスを謳っています。2014年度中にはこれを220Mbpsにします。220Mbpsのサービスは4×4MIMO方式によって実現可能だと認識しています。現在のところ技術開発は順調に進んでいます。最後のステップでは1Gbpsのサービスを考えたいですね。1Gbpsのサービスは8×8MIMO方式、256QAMという符号化方式と2キャリアアグリゲーションと呼ばれる技術によって準備を進めています。WiMAXは64QAMという符号化を利用していますが、256QAMになれば容量を1.3倍ほど増やすことができます。

――2キャリアアグリゲーションとはどんな技術ですか。

 現在、WiMAXには30MHzのバンド幅が割り当てられています。これを10MHzずつ3つのバンドに分けて、それぞれが40Mbpsの伝送速度で運用されています。これに、WiMAX2+のために20MHzのバンドが追加で割り当てられました。110Mbpsのサービスは、この20MHzのバンドを利用して行っています。将来的には、3つあるWiMAX用のバンドのうち2つ(20MHz)をWiMAX2+用に再編します。この再編を2キャリアアグリゲーションといいますが、8×8MIMO方式、2キャリアアグリゲーションと256QAMを組み合わせて1Gbpsという高速化、全体の伝送容量の確保を実現します。

――日本以外ではあまりWiMAXが普及していませんが、UQとして海外展開は考えていますか。

 はい、WiMAX2+はTD-LTE方式と互換性があります。これは海外展開を考えたときのエコシステム構築に役立ちます。最近、中国でもいくつかの通信キャリアにTD-LTE方式の免許が交付されましたが、いずれ中国でもデバイスの利用が可能になるかもしれません。東南アジアでは、マレーシアのYTLとPC向けのサービス構築について協議しております。
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《中尾真二》

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