冬コミケ開幕!ドコモはLTE/Wi-Fiの電波強化を実施中
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今夏に開催された“コミケ”のイベントには会期中約59万人の来場者が訪れた。イベント会場は広大な東京ビッグサイトの屋外敷地と全ホールにまたがっているため、ドコモでは今回、ユーザーに向けて快適なエリアサービスを提供するためにLTEとWi-Fi両方の電波強化対策を実施している。具体的な取り組みの内容について、NTTドコモの大久保氏、河村氏に訊ねた。
LTEエリアを強化するため、会場には3台のLTE対応移動基地局車両が派遣された。東京ビッグサイトの西側ホールに1台、東側ホール2台の車両を設置。LTE通信は2GHz/1.5GHz/800MHz帯の周波数をカバー。10MHz幅の帯域を使って下り最大75Mbpsの通信を提供する。
ドコモはこれまでにも、コミケ会場での移動基地局車による電波強化サービスを実施してきたが、LTE対応の移動基地局車は今夏のイベントで初めて投入した。前回の経験値を活かしながら、今回のイベントでは来場者が混み合うポイントを事前に予測してバックホール回線を変えるなど、ユーザーに最適な通信環境を提供するための工夫も行った。基地局エントランス回線には固定の光回線のほかに携帯電話回線を併用し、さらにWi-Fiスポット用として4.9GHz帯の屋外対応無線LANを使いながらトータルでの容量アップを図っている。
こうしたドコモのエリア対策が前回のコミケで好評を得たことから、今回はさらに会場内に「Wi-Fiサポーター」と呼ばれるアンテナを背負ったスタッフを50人配置して、公衆無線LAN「docomo Wi-Fi」の通信品質も強化している。
「Wi-Fiサポーター」が大規模なイベント会場に派遣される機会は今回のコミケが初めて。イベント会場内で特に来場者が多く集まる場所と時間帯を把握しておきながら、コスプレの特別なイベントなどが実施される時間にはその現場付近に「Wi-Fiサポーター」を集めて、機動性の高さを活かしたエリア品質向上を狙う。
今回LTEとWi-Fiそれぞれの速度調査をiPhone 5cとAndroid端末のGALAXY S4で実施した。計測には「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを使用している。西側ホールの移動基地局車が配備されている場所近くでLTE通信を計測したところ、iPhone 5cで下り25Mbps前後、GALAXY S4では下り23Mbps前後の速度を提供できていた。Wi-Fiの場合は多少バラツキがあるものの、いずれの端末も下り6Mbps前後の通信速度を平均値として記録した。
《山本 敦》
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