NECビッグローブは株主変更で成長めざす……NEC決算発表会・一問一答 2ページ目 | RBB TODAY

NECビッグローブは株主変更で成長めざす……NEC決算発表会・一問一答

エンタープライズ 企業
第3四半期の決算概要を説明した日本電気、川島勇氏
第3四半期の決算概要を説明した日本電気、川島勇氏 全 4 枚
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--- NEC全体のビジネスが上向きという発表内容だが、春闘ではどういう対応が可能になるのか。ベースアップも有り得るのか、あるいはまだ課題が残されていると考えているか。

川島氏:現在はようやく期初の見通しに追いつけたという段階。ビジネスは全般的に良くなっているとみているが、賃金のベースアップは企業の経営状態がより恒常的に好転しつつあるという見通しが立ってから行うべきと考えている。先々相当業績が良くなると見通せない限り難しい。当社は業績連動型の賞与を基本としているので、当面はその中での対応になると思う。組合からの提案を受けて、しっかりと対応していきたい。

--- 3Qのエンタープライズ事業は特に流通産業が好調だったということだが、そのほかの産業についはどうか。

川島氏:色々な産業が好調な中で、流通関係が特に好調だったということ。全般的に良くなっている。

--- 業績好調の背景にはアベノミクスの効果もあるとみているか。

川島氏:確かにあるだろう。一方で、4月でマイクロソフトのWindows XPへのサポートが終了することを受けて、IT投資の需要が高まっている部分も影響していると思う。

--- アルゼンチンなど新興国で続く通貨安の状況をどうみている。新興国経済でこれからどのようなリスク対策を行っていく計画があるか。

川島氏:中南米をはじめとした新興国では、当社も成長を期待して色々なビジネスを展開している。今のところ対応については様子見のステータス。基本的には慎重に進めていくとしか、今のところ言えることはない。

--- 現在赤字ではないNECビッグローブの事業をなぜ今売却するのか。売却相手がファンドだが、譲渡後もビッグローブとして単独で生き残っていけると考えているか。

川島氏:ビッグローブの成長についてはNECとして様々に取り組んできたが、今後は日本産業パートナーズの傘下としてビジネスを展開することで、色々なお客様との新しい関係を築き、さらに事業を広げられると考えた。ビッグローブのビジネスをこれから先も伸ばして行くために最善の選択を取ったと捉えて欲しい。

--- NECビックローブの売却益として270億円を計上するという説明だが、売却額の規模感はどれくらいとみている。

川島氏:売却額は非公開とさせてほしい。

--- 社内の構造再編の必要も将来的にはあるのか。

川島氏:私どもから申し上げるものではないが、当面は資本関係が変わるだけで、お客様に対するサービス、ビジネスの形態は変わらないと思っている。

--- NECビックローブの会社名は変更されるのか。

川島氏:「NEC」の看板は外れると思うが、ビッグローブのブランドは継続されるだろう。社名についてはブランド継続を念頭に日本産業パートナーズと検討していく。

--- ビッグローブの株式譲渡後、社員の雇用ステータスは変わらないのか。

川島氏:基本的には資本関係が変わるだけで、雇用形態は同じだ。

--- 現在NEC本社に籍がある社員は転籍のかたちになるのか。

川島氏:当面は現在の出向というかたちが継続する。転籍はその後のステップ。

--- NECフィールディングを完全子会社にしたあとは既存の顧客サービスに影響はないのか。

川島氏:お客様へのサービス提供は今まで通りで変わらない。もっと広範囲な対応が可能になると受け止めて欲しい。現在のサービス内容を確認した後、中核機能をフィールディングに持っていくための再編成は必要になるだろう。

--- 傘下のグループ会社の整理統合が発表されたが、先頃に従業員の不祥事が明らかになったNECネッツエスアイについては、NEC本体内での担当部署変更、子会社の経営体制変更、経営監視を含めた子会社化など考えているのか。

川島氏:NECネッツエスアイは上場会社なので、基本的に本社が対応を考えるものではない。一方で今回の不正案件はグループとして反省すべき出来事であり、当社を含めてグループ全体で見直していくべきと捉えている。
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《山本 敦》

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