【インタビュー】ソフトバンク新料金プラン その狙い、メリットを聞く……VoLTE時代を見据えて?
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この新料金プランの狙いは何なのか。実際にこの料金プランの設計に関わっている須賀裕氏(ソフトバンクモバイル マーケティング統括 カスタマー戦略本部 料金サービス統括部 統括部長)にインタビューを行った。
――さっそくですが、今回の料金プランの狙いはなんでしょうか。
背景には、2014年にもサービス開始と言われているVoLTEがあります。従来もSkype、LINE、楽天でんわなど音声通話に関する低価格サービスはありましたが、VoLTEの登場で通話もかけ放題(定額制)の時代が見えてきました。ソフトバンクは、ADSLの料金やホワイトプランなど常に他社に先駆けて新しい提案をしてきており、プライスリーダーとしての自負があります。今回のプランもその流れを汲むものとして、ユーザーにスマートフォンでも気軽に通話できる環境を提供したいという想いがあります。
――VoLTEを意識した料金プランであることは間違いなさそうですね。では、タイミングについてはどうでしょうか。なぜこの時期なのか。やはりVoLTEの開始は近いのかなどと考えてしまいますが。
実は、このような料金プランについてはLTEのサービス開始のころから検討していました。LTEの帯域があればデータに音声パケットを乗せることは技術的に可能でしたし、時代の流れとして電話サービス全体の中で、音声サービスの役割は減ってくるだろうと予想していました。音声のARPUはどんどん下がっていくでしょうし、ならば音声とデータをまとめたプランは提供できないのか、というのを考えてきました。その意味で、今回その内容や周辺環境が揃ってきたということです。
――ソフトバンクではいつVoLTEのサービスインを考えていますか。
具体的な日程はノーコメントとさせてください。ネットワークと端末の両方が準備できてからということになります。
――その一方でSkypeやLINE、ビジネス向けでは050のような音声サービスが一定の市場を確保しています。VoLTEとこの料金プランの視点から見て、これらのサービスはどのように見ればいいのでしょうか。
音声通話の料金を安くするという視点から見れば、確かにSkypeや楽天でんわなどは効果があると思います。しかし、キャリアが通常のサービスとして提供するものと比較すると、スマートフォンの利用シーン全体の中での使い勝手の良さや品質面の違いがあると思っています。他社と別々に支払いをする必要がないことや、キャリアの通常サービスとの連携や親和性もあると思います。
――VoLTEによって、品質はどれくらい良くなるのか教えていただけますか。
特定サービスとの比較はできませんが、少なくとも3Gによる音声通話と同等以上のものになると思っています。
――ヘビーユーザーが気になる点なのかなと思うのですが、設定されたデータ通信容量の制限を超えると従量課金する措置を基本にして、オプションで低速の制限に変えることができるようになっています。この条件を設定した意図はどこにあるのでしょうか。
やはり、多くのユーザーに公平に安定したサービスを利用してほしいということに尽きます。帯域を圧迫するようなユーザーはごく少数ですが、課金されるとなれば抑止力はあると思います。
とは言え、強調させていただきたいのは、今回発表した3種類のパック料金に設定されている帯域制限を超えるパターンは、実際にはかなり限られたものだということです。標準的なプランとして考えているMパックの7GBの制限を超える人は全体の10%以下です。Lパックの15GBを超える人は1%にも満たない数です。
――通話時間や回数の制限もありますが、これも同様に平均的な利用であれば問題ないものでしょうか。
はい。パケットの使用量同様、音声通話の回数・時間についても、自社の統計分析を行っていますし、TCA(電気通信事業者協議会)が出しているデータでも、平均的な通話時間は2分半、1日あたりの通話回数は1.3回となっています。これを31日としても1ヵ月50回にはなりません。Sパックの3分以内、月50回という制限でもこれをクリアするように設定されています。平均的な使い方であれば、Mパックの5分以内、月1000回という制限は、余裕のある水準ですし、自社のデータでも全体の90%以上の通話がこの範囲に入っています。
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