【連載・視点】ヒット商品「ふらの牛乳プリン」を生み出したフラノデリスの思想とシステム
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あちこちの物産展で小さな牛乳瓶に入れたプリンが注目を集め、あっという間に行列ができた。池袋東武では1000本がわずか28分で完売となった。「ふらの牛乳プリン」……北海道・富良野市のフラノデリスを運営するルノールが販売したヒット商品だ。フラノデリスの開店は2001年だが、4年前に同商品は累計1000万本を超えている。
店は富良野に1店舗のみ。富良野市街を見下ろせる丘の上に約500坪の敷地があり、そこに店舗を構える。社長の藤田美知男氏は、店舗を増やすつもりはまったくないと話し、空港への出店などの依頼も断り続けている。全国へは通販でブランド展開を続けていく考えだ。現在は夏は観光客が店舗にやってきて非常に忙しくなり、それ以外は通販対応で忙しい。年中従業員がわさわさと動いている状態だ。店舗にやってきた客が通販でお取り寄せし、口コミで購入するケースも少なくない。一時は楽天にも出店していたこともあったが、現在は退いている。その理由を藤田氏は「盛り上がった時に楽天に出したことがあるんです。やはりすごい売れましたよ。でも、パンフレットを入れるなど他の宣伝ができないんですよ。うちとしては通販とリアル店舗をぐるぐるまわしていくよう考えていたので、単に楽天で買えるものだけを売るというのではないと感じてやめたんです」と話している。
藤田氏は高校を卒業した後、辻料理専門学校へ進学。実家の仕出し屋を継がずに神戸のフランス料理店に勤務した。その後、中村屋やロイズ・レストラン(ハワイ)に勤務した後、コンピュータ会社、デザイン会社といった企業にも就職した。富良野にやってきた時の自己資金は700万円。お菓子の原材料の基本である牛乳、バターなどが美味しいところ、自然が残っているところで知名度があるところというのが、富良野を選んだ第一の条件だった。また藤田氏は次のようにも話している。「イメージする年商の半分しか使わないって決めていたんです。年商を超えるような借入れをしたらそれをずっと返済していかなければいけない。そうなると、いかにして儲けるかばかりを考えるようになり、美味しいものを作れなくなってしまう。その辺の余裕を持てるのは固定費が安い北海道だった」と。
《RBB TODAY》
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