【インタビュー】価格競争よりもパフォーマンスや信頼性アップに注力……ケイ・オプティコム 藤野社長 | RBB TODAY

【インタビュー】価格競争よりもパフォーマンスや信頼性アップに注力……ケイ・オプティコム 藤野社長

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ケイ・オプティコム 代表取締役社長 藤野隆雄氏
ケイ・オプティコム 代表取締役社長 藤野隆雄氏 全 2 枚
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 恒例のRBB TODAY主催による「ブロードバンドアワード2013」。ケイ・オプティコムは、近畿圏におけるキャリア部門で「ベストキャリア」「サポートの部」「セキュリティサービスの部」「番外編」(長期利用率No.1)のほか、テレビ部門の「ベストテレビサービス」においても最優秀賞を受賞した。同社はベストキャリア賞で連続7年目の受賞となり、関西で磐石の地位を築いている。この1年間を振り返りつつ、今年はどんな戦略や展開を考えているのか、藤野隆雄社長に話を聞いた。

●固定回線は1Gbps の時代へ……丁寧なサポートとセットで展開

------この1年間を振り返ってみて、どのような印象を持ちましたか?

まず一般コンシューマ向け固定回線(FTTH)サービスですが、ご存知のように関西は全国で最も競争が激しく、普及が進んでいる地域です。その傾向は今年もまったく変わっておらず、いよいよ全体の普及率が50%を超える手前までやってきました。ユーザー数は、一昨年度末で約140万件。今年度末で約149万件となり、約9万件の増加となっています。ボリュームゾーンは40代のファミリー層がメインで3割程度です。2011年は、地デジ切り替え効果もあり、最大17万件のユーザーを獲得したのですが、次年度からリバウンドがきて、その影響が現在でも続いている状況です。

------ではADSLユーザーのFTTHへの移行も進んでいますか?

先ほど申し上げたとおり、近畿全体ではFTTHへの移行が最も進んでおり、そのぶんADSLユーザーも少なくなっています。現在ではADSLユーザーは全体の7.2%ほどしか残っていません。ただし、逆に最後のコアユーザーは、「FTTH入らない。ADSLでも十分」と考えている層なので、乗り換えていただくのが大変なのです。。費用対効果という意味では、ADSLユーザーを対象にしても、あまり効果は得られません。むしろ高速性など利用面の効果を全面に出しつつ、そのメリットを強くアピールしていく方向です。

------顧客獲得のために何かテコ入れをしたのでしょうか?

FTTHでは、料金を値下げしつつも、回線速度が100Mbpsから1Gbpsへと上がったため、新規顧客の半分以上が1GB対応となっています。1GBサービスになると、単に回線速度を上げればよいというわけにはいきません。サポートも重要になります。宅内のPCやルータが古かったり、LANケーブルが適合していないなど、何かボトルネックがあると、従来の高速なパフォーマンスを発揮できなくなります。そこでお客様とコミュニケーションをとりながら、しっかりとサポートすることで、1GBの実力を味わっていただけるように努力しています。即日に回線を開通させ、PCやメールアドレスの設定まで含めて無料でサポートしています。こういった地道な施策が今後も利いてくると思います。

------料金面での効果はありましたか?

2012年から「スタート割」を始め、1年間月額料金から1000円を割引することにしました。かなり料金が下がったため、顧客獲得数が持ち直したのです。さらに追加施策として、「スタートダッシュ割」も始めました。スタートダッシュ割は、スタート割の3ヵ月間を無料にするというもので、残り9ヵ月間は1000円を割引く形になります。これにより、だいぶ顧客獲得数も増えましたね。

●ショッピングサイトの再構築を進め、EC系のサービスを充実

-----コンシューマ向けについては、料金面だけでなく、サービス面での充実も図っていましたが?

もちろんサービス面での施策も打ってきました。eoスマートリンクに関しては、サービス開始当初はソニー製の専用タブレット端末を市販価格より安く提供し、その代わりに一人1台に制限させてもらいました。昨年12月からは一人3台まで利用できるように制限を解いて、より広く活用できるようにしています。また端末は「Xperia Tablet S」に加え、上位機種の「Xperia Tablet Z」もラインナップに加えました。端末の普及は計画どおりに推移してます。3年間で10万台を目標にしていますが、1年半強で5万4000台まで来ています。やはりサービスではEC系が強いため、今年に入ってマーケットのインフラの入れ替えを検討しています。その上でコープ近畿などとも提携することで、店舗数や品揃えを増やし、目的の商品を探しやすいように改修しています。この新しいショッピングサイトは、4月の新年度からオープンする予定です。

-----スマートリンク以外で、何か他にサービスを充実させたものはありますか?

TSUTAYAとタイアップし、eo光のビデオ・オン・デマンドサービス 「TSUTAYA TV for eo」を始めました。これによりコンテンツのストックが大幅に増え、24時間365日、好きな時間に好きな作品や番組を楽しめるようになりました。従来からのSTB(セットトップボックス)でも視聴できますが、スティック型のデバイスをTVに挿して、無線LAN経由で番組を観られるようにしています。そのほかにもマルチスクリーンとして、スマートリンクのタブレットでも活用できるようにしています。
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《井上猛雄》

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