【インタビュー】価格競争よりもパフォーマンスや信頼性アップに注力……ケイ・オプティコム 藤野社長 2ページ目 | RBB TODAY

【インタビュー】価格競争よりもパフォーマンスや信頼性アップに注力……ケイ・オプティコム 藤野社長

エンタープライズ 企業
ケイ・オプティコム 代表取締役社長 藤野隆雄氏
ケイ・オプティコム 代表取締役社長 藤野隆雄氏 全 2 枚
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●モバイル系の2つの施策。スマートバリューと「LaLa Call」(ララコール)

-----モバイル系のサービスの動きは何かありましたか?

いままで我々の競争は大手キャリアやCATVなど有線の世界が中心でした。これは我々にとって戦いやすいテリトリでした。それがモバイル系での競争へと少しずつ変化してきています。このままいくとモバイルが増え、いろいろな影響が現れてくるかもしれません。そこで固定離れを何とか食い止める必要があります。そのためにスマートバリューによって、セットで安くなるという料金面での方策を打ち出してきました。実際にスマートバリューの割引が利いて、量販店に次ぐ貴重な顧客獲得チャネルになっています。Wi-Fiに関しては1万台の基地局設置を打ち出してきました。やはり携帯電話に契約しているユーザーは、付属の無線LAN機能を自由に使うというパターンが多いため、いまはオフロード戦略に切り替えています。すでに大阪市内の地下鉄駅ホームではWi-Fiをほとんど網羅して、ご利用できるようにしています。

-----モバイル系の新規サービスとして、050通話アプリの提供もスタートしました

ええ。これも固定離れを食い止める施策の1つといえるでしょう。アプリを入れてもらうことで、我々のネットワークを使ってもらえるからです。「LaLa Call」(ララコール)は、通話料を大変安くできる050通話アプリで、月額利用料が100円(eo会員は無料)とお得です。音質もよく、固定電話へは全国一律8円(3分)でかけられます。もちろんアプリ同士では通話料はかかりません。そのためユーザー数もリニアに伸びており、現在3万5000契約まで増えました。ただし、そのうちの9割が関西圏のユーザーで、残り1割が全国ユーザーという比率です。今後どうやって全国的にご利用いただくか、ということが課題になっています。薄利多売でやっているため、まずは近畿を中心に口コミで広めてから、チャンスを狙っていこうと考えています。また、ビジネスユーザーにも利用いただけるように「ビジネスLaLa Call」も4月以降に開始します。これは企業に求められるセキュリティ対策や管理機能など、さまざまな対応を兼ね備えたアプリで、企業の通信費を削減するものです。個人のスマートフォンにインストールして、BYOD((Bring Your Own Device)を実現することができます。通常はビジネスとプライベートの利用で通話料金を分けられませんが、これらを別々にカウントして料金を請求できます。もしスマートフォンを紛失しても心配は要りません。遠隔操作によるワイプ機能なども備えています。料金体系は5番号までは月額500円、さらに1番号を追加するごとに300円の料金体系になりますので中小企業でも手軽にご利用できます。対抗馬のNTTコムの050 plussと比べても、圧倒的に料金が安いと思います。

●法人系では、オフィスeo光で中小企業にリーチし、さまざまなサービスを提供

-----法人向けの戦略についても教えてください

これまでも法人向けには、大企業や中堅企業を中心に地道に展開してきました。いま一番注力しているのは、中小企業をターゲットにした「オフィスeo光」です。TVCMを打って、知名度を上げています。実際にCMを打つと、明らかに契約数も増えます。契約数の実数は公開できませんが、順調に伸びています。中小企業に対するアプローチで重要な点は、まず認知度でしょうか。eo光というと、どうしても一般家庭向けというイメージが強く、企業向けのサービスがあるということをご存知ない方も多くおられます。もう少しプロモーションを充実し、認知度を上げていく必要があります。また単なるインターネットサービスでなく、アプリケーション、データセンターなど、いろいろなソリューションがあることをしっかり訴求していくつもりです。クラウドに関しては、2年前からniftyとタイアップし、「ニフティクラウド for KOPT」も提供しています。 

-----最後に今年の目標、あるいは方針・展開について教えてください。

料金面の施策は、もう限界に来ていると思います。これ以上の価格破壊は難しいでしょう。それよりも、むしろ性能面での高速性などハイグレードの世界を打ち出して、そちらに原資を使うべきだというのが我々の考えです。今年は全体的な信頼度をぐっと高めていきたい。つまり途切れないサービスにするということです。いままでネットワークの中心となる総括局は大阪にありましたが、もう1つ兵庫県にも総括局をつくることにしました。昨年から準備していたのですが、それがいよいよ2014年末に稼動することになり、ネットワークが冗長化されます。どちらかのネットワークで何かあっても、トラブルを回避できます。いま、これだけ地震などで自然災害のリスクが叫ばれている時代です。通信は防災のベースにもなるものです。我々は通信事業者として、利用コストだけでなく、通信のパフォーマンスや信頼性についても、しっかりやっていかなければならない責任があります。これは法人でも一般コンシューマーでも共通する重要なことだと考えています。
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《井上猛雄》

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