【Wearable Tech Expo 2014】空間認識とARを利用したゲームプラットフォーム | RBB TODAY

【Wearable Tech Expo 2014】空間認識とARを利用したゲームプラットフォーム

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プロトタイプの頭部装着型デバイス。VRヘッドマントディスプレイ「Oculus Rift」の上に、3Dスキャナを取り付けてある
プロトタイプの頭部装着型デバイス。VRヘッドマントディスプレイ「Oculus Rift」の上に、3Dスキャナを取り付けてある 全 8 枚
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 「Wearable Tech Expo in Tokyo 2014」の博報堂DYグループ内で紹介されていたカナダ・Sulon Tecnologies Inc. は、会場内の一角にゲーム体験ルームを設け、同社の独自テクノロジー「Sulon Crotex」を体験できるコーナーを用意していた。このSulon Crotexは、いまゲーム業界で大注目の技術で、この企業も指輪型デバイス・Ringやウェアラブル玩具・Moffと同様にクラウドファンディングからスタートして資金を調達した。

 Sulon Crotexは、空間認識と拡張現実(AR)を利用したゲームプラットフォームで、目の前にある現実の空間を3Dスキャナで取り込み、そのままゲームの舞台するというもの。仮想のゲームの世界にリアルな人間が没入していけるのだ。

 今回、実際に使用したプロトタイプの頭部装着型デバイスは、VRヘッドマントディスプレイ「Oculus Rift」の上に3Dスキャナを4つの方向に取り付けたもの。いまは市販品の3Dスキャナを使っているので、この部分が大きくかなり無骨にみえる。テープなども貼ってあり、いかにも手作りという感じだった。しかし、3Dスキャナは3Dプリンタに使われており、将来的に値段も下がっていくだろうし、外観もコンセプトのようにどんどん小さくなっていくと思われる。

 さて、ゲームの準備段階では、本体のVRヘッドマントディスプレイを頭に取り付け、本体の側面からスマートフォンを差し込んで、実際にプレイするゲーム画面を投影していくことになる。本体上部には、3Dスキャナのほか、傾きや方向を検知するためのセンサも装着されており、その情報も加味される。また本体にはバッテリを内蔵しており、1.5時間ほど稼動できる。なおコントローラ自体はWiiのリモコンを使っていたが、最終的には専用のものになるという。

 プレイルームの間取りデータを3Dスキャナで取り込み、ゲーム空間として利用するので、本当にその場にいるかのような感じになる。そのVR空間を歩いていくと、そこからゾンビのような敵が突然現れてくる。ゲーム自体は、簡単にいうとバイオハザードの洋館内を本当に自分で歩いて、敵を倒していくというようなイメージだ。

 今回、このゲーム体験コーナーは大人気だった。プレイした体験者に感想を聞いてみると、「没入感が本当にすごく、いままでにない体験だった」「全方位に映像が見える。自分が動いていくと、新しい次元に入っていくような感じ」「場所があるような、ないような不思議な感覚に陥り、少し怖かった」「けっこう酔いが回ってしまった」「完成度はまだまだかもしれないが、逆にこれからもっと良くなりそうで大いに期待がもてる」という声もあり、評判は概ね好評だった。

 ちなみにVRヘッドマントディスプレイ・Oculus Riftを開発しているOculusVR社は、先ごろFacebookに20億ドルで買収されることを発表(2014年第2四半期中に完了)。もしかするとFacebookも、こういったARやゲームの世界に入っていこうとしているのかもしれない。



《井上猛雄》

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