ICT総研、全国ローカルエリア100地点におけるスマホ通信速度の実測調査を実施
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調査期間は、3月8日から3月22日まで。上述の100地点の施設入口付近で、「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを利用し、下り通信速度、上り通信速度を各3回ずつ測定した。測定端末はNTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルのiPhone 5cおよびAndroid端末。
■ソフトバンクが下り、上りともに最速を記録。Androidは下り速度24.2Mbps。
実測の結果、ソフトバンクがiPhone、Androidともに最速の結果を記録した。iPhone 5cの下り平均速度が23.10Mbps、上り平均速度が8.94Mbps、Androidの下り平均速度が24.16Mbps、上り平均速度が9.43Mbpsでいずれも最速となった。ICT総研の以前の調査では、ソフトバンクは都市部や人口密集地帯では強みを見せるものの、地方では弱みを見せる傾向が見られたという。今回、ローカルエリアの中では人が集まる地点を対象としたとは言え、その傾向は改善されている。ICT総研は、山間部等、まだまだLTEエリアカバーの面では途上である印象もあるが、今回調査対象としたような、人がある程度集まる地点であれば、ローカリエリアであっても確実にLTEで快適な高速データ通信が楽しめる環境が構築されているとしている。ソフトバンクが進める「倍速ダブルLTE」化も好結果に寄与していると考えられるとのこと。
■auは次点の結果も、iPhone5c、Androidともに下り20Mbps超を記録と安定。
全体的に次点の結果だったのはau。iPhone 5cの下り平均速度が20.86Mbps、上り平均速度が7.64Mbps、Androidの下り平均速度が23.02Mbps、上り平均速度が7.73Mbpsを記録。下り平均速度はともに20Mbps超と安定した結果を記録した。ICT総研では、auが強みであると公言する「800MHz帯」(プラチナバンド)のLTEがローカルエリアであっても幅広くエリアカバーされていることが、この安定した結果に影響していると見ている。
■NTTドコモは上り速度で劣勢も、Androidの下り50Mbps超が6地点と最多。
NTTドコモは、上り通信速度がiPhone 5c(5.40Mbps)、Android(5.63Mbps)ともにふるわず、劣勢に。また、下り通信速度では、iPhone 5cが18.73Mbpsと、十分高速ではあるものの、他2社には後れを取った。一方でAndroidについては下り23.08Mbpsと、他社と同等の高速な通信速度を記録した。なお、Androidの下り50Mbps超の地点は6地点と最多。ドコモは下り最大112.5Mbpsや最大150Mbpsに対応するエリアを急ピッチで拡大しており、その影響により、いわゆる爆速地点が増加していることが要因ではないか、とのこと。
■エリア別で見ると、下り最速は四国(25.9Mbps)。上り最速は中国(9.4Mbps)。
全国をエリア別に分けて調査結果を見てみると、下り平均速度では四国エリアが25.9Mbpsで最速、上り通信速度では中国エリアが9.44Mbpsで最速となった。下り平均速度で四国エリアに続くのが、北海道エリア(22.98Mbps)、九州エリア(22.92Mbps)となっている。比較的地方エリアの結果が良好だが、ICT総研によれば、地方であってもLTEエリアカバーされている地点であれば回線混雑の可能性が少ない上に、遮蔽物が少ないことなどが影響しているという。また、各携帯電話キャリアの地方エリア拡大の影響ももちろんあるはずとした。
RBB TODAYでは先日、「RBB TODAY SPEED TEST」のログデータを活用し、2013年12月~2014年2月の3ヵ月分のLTE通信速度を分析した。そこでもソフトバンクは全国的に優位であり、また、各社の計測値が徐々に高速になってきている傾向は、今回の実測調査と重なる部分でもあった。
《白石 雄太》
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