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【インタビュー】クラウドソーシングで発注者と受注者の関係は逆転する!

エンタープライズ 企業
クラウドワークス 代表取締役社長 兼 CEO 吉田浩一郎氏
クラウドワークス 代表取締役社長 兼 CEO 吉田浩一郎氏 全 4 枚
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■「貨幣経済」から「共感経済」へ!大きな変化の中にあるクラウドソーシング

 2008年にはスターバックスが「My Starbucks Idea」というコミュニティサイトを立ち上げました。一般の衆知をビジネスに利用するクラウドソーシングの考え方を活かし、コーヒーの味から紙コップの形、スイーツの提案や支払い方法、店舗の立地まで、あらゆるアイデアをユーザーから募集、集まったアイデアから何を採用して実行したかを公開する仕組みになっています。

 10万以上のアイデアが提案されている中で面白かったのが「旅と共にあるスターバックス」という、世界中のスタバにご当地マグカップを作るというプロジェクト。どんな国や地域でスタバに行っても同じメニューでつまらないと感じたユーザーが発案し、採用されたもので、今は世界各地のスタバでご当地マグカップが作られて話題になっています。旅の思い出として、コレクターズアイテムとして、かなりの優先順位を持って買われるようになっているそうです。ここで重要なのは、旅の思い出として、わくわくして購入するものであるため、価格をあまり気にしなくなるということ。製造原価ではなく、ユーザーに与えている体験が原価になって価格が決まっているからです。このように、物やサービスを作る過程に人々が参加して、共感が生まれて、それが価格の源泉になっている流れがあります。

 クラウドソーシングは、貨幣経済から共感経済へと移る大きな変化の中にあると思っていて、クラウドワークスでも顧客と共に想像するコ・クリエーションのような分野の仕事が徐々に増えてきています。単に安くではなく、色々な人の知恵を借りて、「わくわくするものを作りましょう!」という動きになってきています。

――国内企業の事例についても教えてください

 国内では、ボンカレーの事例があります。新商品のキャッチフレーズをユーザーとともに作るというキャンペーンをクラウドワークスを使って実施していただきました。従来であれば、広告代理店のコンセプターが「このキャッチフレーズで行きましょう!」と決めて、高い費用をかけて作成し、テレビ等で一方的にプッシュ配信していく。これに対して、今回のプロジェクトにはほとんどお金が掛かっていません。その中でユーザーと一緒に作ろうということで、作る過程そのものがプロモーションになっている。結果、7日で4700案の提案が集まり、キャンペーンが話題になったことで新商品の認知も向上しました。ボンカレーというどちらかといえば固いイメージのある会社が、クラウドソーシングを使ってキャッチフレーズを作成するということも意外性があったようです。

 その他、地ビールのメーカーが3万円の予算でラベルを募集し、38件の提案が集まった事例や、震災復興支援として宮城県のバッグ工房がデザインを1万円で募集したところ、その想いに共感した人たちから42件の提案が集まった事例などもあります。これは大きな出来事で、クラウドソーシングは上場企業のあり方も変えていますが、限られた予算でも世界中の誰かに仕事を直接依頼できるということで、個人や小さな事業者に対してもモノづくりの可能性を開いているわけです。

――広く一般のアイデアを求めるという面では、FacebookなどのSNSサービスでも出来そうな気がします。クラウドワークスの強みはどんなところにあるのでしょうか

 まず、報酬の支払いに関する仕組みを持っている点が挙げられると思います。採用報酬だけでなく、参加報酬もお支払いできる。かつ、そのお金をエスクローという仕組みを使って前金でお預かりするので、安心してお支払いが可能になっています。また、仕事をするために集まった13万人のユーザーがいる。そういった要素も大きいでしょう。情報の粒度というか、単純にSNSだとみんながおもしろおかしくやってしまう懸念もあります。今回の場合、今後のプロモーションで使っていくボンカレーのキャッチコピーという、れっきとした仕事という点も意識されて、選んでいただいたのかもしれません。
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《白石 雄太》

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