【カンヌ国際映画祭 第67回】タランティーノ、デジタル化に「映画の死」
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しかし、「パルムドール」を獲ったジェイラン監督よりも、目立っていたのがトロフィーを渡したクエンティン・タランティーノ。レッドカーペットでユマ・サーマンと踊りまくっていたタランティーノは今回、新作の上映ではなく、閉幕作品『荒野の用心棒』50周年記念修復版のプレゼンター、および自身が20年前に「パルムドール」を受賞した『パルプ・フィクション』の20周年記念上映のためにカンヌにやってきた。
『荒野の用心棒』は1964年に、イタリアのセルジオ・レオーネ監督による元祖マカロニ・ウェスタン(イタリアで製作された西部劇)であり金字塔。主演のクリント・イーストウッドは、タランティーノが「パルムドール」を受賞した第47回の審査委員長でもあり、タランティーノにとってはもっとも愛する映画の1本だという。
公式会見で「一番好きな映画は『バトル・ロワイヤル』だと言っていませんでしたか?」と突っ込まれたタランティーノは、「『バトル・ロワイヤル』はこの20年間で最高の映画だ」と返答し、「『荒野の用心棒』はマカロニ・ウェスタンを生んだ作品というだけでなく、すべてのアクション映画の元祖なんだ」と力説した。
今回はデジタル修復版での上映だが、タランティーノは「デジタル化は“映画の死”を意味すると思っている。デジタル上映を観るのは、家で大きなテレビを観ているのと変わらない」と発言。これはかなり波紋を呼び、翌日の新聞の見出しを飾っていた。
また、『パルプ・フィクション』はビーチでの野外上映が無料で行われ、タランティーノはジョン・トラボルタとユマ・サーマンと共に舞台挨拶を行い、集まった観客たちは大歓声をあげていた。
【カンヌ国際映画祭】タランティーノ、デジタル化に「映画の死」と苦言で波紋
《photo / text:Ayako Ishizu》
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