【WTP 2014】5G・移動通信システムは日本の技術でリードしていく……総務省政策担当者が語る
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
2020年に向けた「第5世代」の移動通信システムに関する取り組みについても言及された。布施田氏は「第5世代の段階では日本が世界をリードしてくつもりで、省としても各企業の活動をバックアップしながら盛り立てていきたい」と述べた。
「一方で、これまでのTDMA方式やCDMA方式、OFDMA方式に代表されるような革新的な通信技術が第5世代を前になかなか見つからないという厳しい状況にある。そのため、第5世代では今ある技術の発展型による高度な組み合わせを検討していく必要であると考えている」としながら、布施田氏は日本の取り組みとして、昨年の9月にARIB(電波産業会)が携帯電話事業者やメーカーの専門家による検討体制「2020 and Beyond AdHoc」を起ち上げて、2020年以降に求められるサービスのコンセプトやトラフィックの予測、適用技術の候補などに関する議論を始めたと説明。さらに総務省の中にも「電波政策ビジョン懇談会」を設立し、第5世代に向けた取り組みを産学官連携で展開していると紹介した。
「第5世代の技術発展を今から頑張れとよく言われるがのだが、これはなかなか難しい問題。第2世代の基地局技術は日本のメーカーが主導してきたが、第4世代では海外のメーカーにリードされているのが現状だ。次世代では国内メーカーの産業力向上のために我々も頑張りたいが、今は色々と試行錯誤しているところ。国内のニーズも大事だが、これからはグローバルスタンダードで闘っていく必要があるだろう」(布施田氏)
■ITS(高度道路交通システム)も2020年に向けた大事な戦略
総務省をはじめ4つの省庁が連携しながら推進しているITS(高度道路交通システム)の政策についても触れられた。最先端の情報通信技術を活用しながら、都市部の道路交通が抱える渋滞や環境対策などへの対応を目指す技術であり、新たなサービスや市場の創出が期待されている。同技術の高度化には、電波による無線通信等のICTを効果的に活用していくことがポイントになる。
ITSのターゲットには道路交通情報「VICS」をはじめ、前方車両等の自動検知を可能にする車載レーダーやカメラ、車車間/歩車間通信等の安全運転支援システムなどが含まれてくる。布施田氏は「2020年の東京オリンピックでは都心での円滑な交通環境システムを実現するための鍵をITSが握っている」としながら、今後は東京都や自動車メーカーとも連携を取りながら、日本の高度なICTを活用した次世代ITSを世界にアピールしていくと抱負を語った。
《山本 敦》
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