【インタビュー】もうひとつのサムライブルー……独24時間レースで優勝ねらうスバル | RBB TODAY

【インタビュー】もうひとつのサムライブルー……独24時間レースで優勝ねらうスバル

エンタメ その他
スバルWRX STI NBRチャレンジ2014(シェイクダウン)
スバルWRX STI NBRチャレンジ2014(シェイクダウン) 全 14 枚
拡大写真
 4年に一度のサッカーワールドカップが開幕した。「サムライブルー」に日本中が熱狂する。そのワールドカップの開催期間に重なる6月21日、もうひとつの青い戦士たちの闘いがドイツで繰り広げられることをご存じだろうか。

●ニュルブルクリンクの魅力はオールドコース

 今年もスバルはニュルブルクリンク24時間レース(NBR 24H)に参戦する。そのチームカラーはサッカー全日本代表チームと同じブルーなのだ。スバルチームがNBR 24Hに参加するのは今年で7年目となる。2011年、2012年は連続クラス優勝を遂げており、3連覇をかけた昨年の2013年は惜しくも2位となったが、今年は車も新型WRX STIを投入し、クラス優勝奪回を目指すという。

 といってもニュルブルクリンクって何? という人もいるかもしれない。日本で24時間レースというとル・マンが有名だが、ヨーロッパではNBR 24Hの人気も高い。ル・マンはプロトタイプカーなど量産車でない文字通りのレーシングカーのクラスがあるが、NBR 24Hは市販車ベースのツーリングカーによるレースとなる。

 ル・マンのコースが1周約13kmなのに対してニュルブルクリンクは25kmと倍近い長さで、このうち20kmはオールドコース(北コース)と呼ばれる、森の中のコースだ。現代水準で整備されたサーキットと違い、路面のうねりやギャップなども多い。普通の道路並みということだ(実際に時間帯によっては、公道の法規に従って一般に有料で開放されている)。また、道幅も狭くセーフティーゾーンもない。レース中のコースアウト、オーバーランはほぼリタイヤといっていいくらい難しいコースとされている。ニュルブルクリンクもサーキットには違いないが、F1が開催されメディアで目にするようなサーキットとは、性格が大きく異なる。

●ニュルブルクリンク24時間レースは「世界一の草レース」

 NBR 24Hは市販車ベースのレースということで、クラス分けも20以上に細かく設定され、200台前後の車両が参加する。競技に参加するチームは、ワークスから個人までさまざまであり、メーカーどうしの熾烈な争いというレースならではの緊迫感がありながら、チームと観客との距離が近くフレンドリーなイベント要素も濃い。「世界一の草レース」と言われるゆえんだ。

 このニュルブルクリンク24時間レースについて、スバルチームの総監督 辰己英治氏(スバルテクニカインターナショナル)、ドライバーである吉田寿博選手、佐々木孝太選手が、ドイツに発つ前に富士スピードウェイにくるというので、その魅力や楽しみ方、今年のレースへの意気込みなどを語ってもらった。

--- 辰己監督にお伺いします。まずスバルがこのレースに参加した経緯や目的などお聞かせください。

辰己(敬称略。以下同):メーカーはよく海外のテストコースや道路で開発テストを行いますが、30年くらい前、ニュルブルクリンクというコースがあると聞いて行ってみたのが“ニュル”との出会いです。最初は、当時8マルク払えば誰でも走行(1周)できるということで遊び半分でした。しかし、ヨーロッパの多くのメーカーがテストにきていた。走ってみると性能を高めるためテストコースとしての価値が非常に高いと感じるようになりました。

 実は、サーキットや作られたテストコースは車の本当の性能はわかりにくい面があります。そのため、スバルでは20年ほど前からニュルでテストしていますが、そのうちここでレースをやっているということ聞いて、自分たちの開発している車で闘ってみたいということになりました。

 スバルでは世界一安全で速い車、楽しい車を目指していますが、それをどうすれば証明できるか。街で走っているBMWやポルシェ、アウディにレースで勝てば証明できるのではないか。スバルはサーキットレースのノウハウはあまりありませんでしたが、市販車ベースのレースで、それができると考えました。量産品や市販車の性能のこだわりは車だけではありません。人も鍛えるという意味で、チームスタッフのうちエンジニアの半分、6名は全国のスバルディーラーのエンジニアから選抜されたスタッフで構成します。世界の場で車と人を鍛えるため6年前から参戦しています。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 続きを読む

《中尾真二》

特集

【注目記事】
【注目の記事】[PR]

この記事の写真

/

関連ニュース