【インタビュー】飽和状態の市場でARPUを上げる……エネルギア・コミュニケーションズ
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――ベストキャリア部門とサポート部門で最優秀賞を受賞していますが、どんなところが評価されたとお考えですか。
佐野氏:受賞の要因は、1Gbpsのギガ王、100Mbpsのメガ王の2つを主力商品として、長期ユーザーも納得の料金プラン、更にプロバイダとセキュリティソフトが標準で組み込まれていることなどが好評だったためではないでしょうか。また、KDDIとの業務提携により、平成25年7月から開始したauスマートフォン等の料金が割引になる「auスマートバリュー」により、スマートフォン等も含めた家庭全体の通信費が大幅な削減になることも大変ご好評いただいております。サポート体制については、インターネットやメールの設定については、電話による無料サポートの他、同じPC環境の画面を共有しながらお困りごとを解決するリモートヘルプサービスに加え、パソコン・スマホ等のデジタル家電のトラブルを即日訪問してサポートしてくれる「パソコンお直しサービス」といった包括的なサポート体制も評価していただけたと思っています。
――ギガ王についてお伺いします。1Gbpsサービスの戦略はどのように考えているのでしょうか。
佐野氏:スマートフォンなどモバイル通信も高速化していますが、固定系も当然それに対応できるサービスを強化していく必要があります。主力は現在ギガ王、メガ王の2つですが、契約から2年間はギガ王とメガ王の料金が同じになるような「今スグ割」キャンペーンを展開するなどして、お客さまへ安定した固定系の高速通信を楽しんでいただきたく、ギガ王へのシフトを進めています。併せて、帯域を太くするなどの設備投資も積極的に進めています。
――中国地方もNTT西日本がライバル社になるエリアだと思います。NTT西日本との競争についてはいかがですか。
佐野氏:近年は先方のキャッシュバックなどにより価格競争が激しくなっている印象はあります。お互いに乗り換えユーザーを奪い合うような形になっていることもありますが、トータルの純増数はプラスを維持しているので、お客さまの支持は得られているのではないかと思います。
――価格競争はお互い厳しいのではないかと思いますが、まだまだ続くのでしょうか。
佐野氏:おっしゃるように消耗戦のようになっては元も子もないので、今後は、長期ユーザーの優遇措置や独自サービスの開発を戦略の重点に置いていきます。飽和状態にある市場では、お客さまの奪い合いよりARPUを上げていく戦略のほうが有効と考えるからです。独自性のあるサービス開発は当面の課題ですね。
――MEGA EGGの市場戦略における昨年のトピックスと今年のトピックスを教えていただけますか。
佐野氏:昨年のトピックスから言うと、マンション向けに1Gbpsサービスを追加するとともに「複数年契約割引」「長期利用割引」の導入、KDDIとの業務提携によるauスマートバリューの提供開始、オプションサービスでは「メガエッグ シアター」という新しいVODサービスの開始、平成25年12月から実施した「今スグ割」キャンペーンの4つとなります。ギガ王のマンション対応は、お客さまに安くて速くて、便利なインターネット接続サービスの提供を目指して実施した施策です。auスマートバリューについては、auショップにもご協力いただき、またスマートフォンブームとも相まって、効果がでています。VODサービスも導入後、順調に契約を増やしています。今年のトピックスでは、トレンドマイクロとの協業により、セキュリティソフトのウイルスバスターを端末に最大3台まで利用できる「ウイルスバスター マルチデバイス月額版」と、さまざまなサイトやサービスのパスワードを簡単かつ安全に管理する「パスワードマネージャー 月額版」を国内で初めてセットにし、対象コースに標準装備で利用できるようにしました。また、好評のミゲルくんのCMは、平成26年6月から「セキュリティ篇」や「メガ・エッグ シアター篇」の素材を新たに制作し、放映しています。
――新聞報道などでアベノミクス効果について語られることがありますが、中国地方の経済状況はどうでしょうか。
佐野氏:ご存じのように瀬戸内海周辺にはコンビナート群や自動車産業を中心とした製造業が多くあります。新聞などでは、円安、住宅需要の回復など好材料を聞きますが、中国地方でも全国並みの回復が夏から秋にかけて見られるのではないかと予想しています。たとえば、通信事業の分野では、クラウド基盤やデータセンターに関する需要の高まりがあります。当社では、法人向けにV―LAN回線やデータセンター事業など手掛けていますが、将来、自社のデータセンターやネットワーク回線設備のスペースが足りなくなってくる恐れがあることから、この度、広島駅近くへ新しいデータセンターを増強することとしました。これに伴い、SEの強化も必要になってくるでしょう。工業・製造業に並び中国地方の産業を支えているものに、観光事業があります。中国地域には原爆ドーム、厳島神社、石見銀山と世界遺産も多数要していますし、出雲大社、鳥取砂丘、秋芳洞など観光名所もたくさんあります。総務省中国総合通信局と各県や事業者が進めている「山陰・山陽スマート観光プロジェクト」ではGoogle glassを使ったAR観光ガイドの実験などが始まっています。
――最後に2月の総務省発表に関連してNTTグループの規制緩和の議論が始まったという件についてお伺いします。発表や報道を受けて4月にKDDIやソフトバンクモバイルらとともに連名の要望書を出されていると思います。地方の通信事業者にとってもこの問題は大きいのでしょうか。
佐野氏:規制緩和によって、固定回線で約70%、モバイル回線で約44%のシェアを持つNTTグループが再編・統合されるようなことになると、公正な競争や市場が維持されるのかという懸念があります。現状でも固定回線は寡占状態にあるため、ユーザの利便確保や公正競争確保の観点から、十分な議論が必要と考えております。更に、通信事業者同士の公正な競争が維持されるルールを明文化すべきと考えます。
――市場シェアの問題だとすれば、どれくらいの割合になれば規制緩和もOKとなるのでしょうか。
佐野氏:数字でどれくらいというのは難しいですが、市場で7割と4割の企業が一体化して料金設定や設備投資の共有など解禁してしまえば、寡占状態はさらに広がり独占状態になりかねません。もちろん、公正なルールのもと結果が70%、80%ということであれば仕方がないと思います。
――最近では、NTTが光サービス卸を開始する発表もありました。こちらも同様に問題ありというお考えですか。
佐野氏:NTTドコモやNTTコミュニケーションズなどグループ企業のサービス強化につながると、公正で自由な競争が阻害される可能性があると思います。
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