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【連載・視点】宮崎発のベンチャー企業!会わない営業で広がるECビジネス

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代表取締役社長の濱渦伸次氏
代表取締役社長の濱渦伸次氏 全 6 枚
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■地方だからこそ人材が集まる

 人材の獲得についてはどうだろうか。人口が圧倒的に少ない分、人材獲得のハードルは高いように思える。「人がいないのでは?ということはよく聞かれます。実際、地方にたくさんのエンジニアがいるかと言われれば、そんなことはありません。ただ、局地的に、宮崎のIT業界の中でみれば、僕たちは少し目立つことが出来ている。そのおかげで、宮崎出身で帰ってきたいとか、都会出身だけど田舎で働いてみたいといった、Uターン、Iターンの優秀な人たちを集めることが出来ています」。

 地方出身者が都会に出ていく理由として、地元に魅力的な企業が無いことは大きな要因のひとつだろう。働きたいと思える企業があれば田舎に帰る、という人も多いのではないか。「周りの友達がみんな東京や他の都市圏に出て行ってしまって、それはやっぱり寂しいですし、宮崎で育った人が宮崎に残らないのであれば、いずれ衰退する未来しかない。だから、出ていく人が留まりたいとか、戻ってきたいと思えるような会社を作りたいと考えて、宮崎に1000人の雇用を作ると言い始めました」。

 ECの技術を活用して、新しい分野の開拓も考えている。そのひとつがメディアコマース分野。昨年10月にはファッション系Webマガジン「ハニカム」を買収し、メディアを活用したECビジネスを開始した。メディアやソーシャルネットワーク上でコンテンツとECを連動させ、コンテンツに登場する服や小物が直接購入できる仕組み等を展開する。メディアコマースに力を入れる理由は、ネットショップにおける集客の効率化を追求するため。「集客に費用がかかり、売上は上がっても利益が出ないショップを数多く見てきました。今後のECでは、集客の部分をどれだけ効率化できるか、広告費の比率を下げて売上げを上げられるかどうかが重要になってきます」とのこと。今後もメディアは随時増やしていく考えだ。メディアの買収は東京での活動が主になるが、あくまでビジネスの主体は宮崎で行う。「宮崎で産まれた技術の価値を、東京で何倍にもしていきたい。個人的には、社内のことは社員たちに任せて、そういった動きをしていくつもり」とのこと。

 2名で始めた会社だが、現在社員は100名を超え、1000人規模の雇用創出も現実味を帯びてきた。今後も軸はECに置き、EC市場の中で成長を目指していくという。「EC市場はまだまだ伸びています。5年後を考えた時、市場規模からすれば1000人規模の企業がいくつかあってもいい。また、そうであるならば、その内のひとつは僕たちだろうと思っています」。
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《白石 雄太》

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