【SoftBank World 2014】「情報武装」と「ロボット」で日本を復活……孫社長
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「SoftBank World」は法人顧客向けにソフトバンクグループが取り組むビジネスの現況を紹介するイベントとして2012年に始まり、今年が第3回目の開催となる。会場では協賛企業によるモバイル、クラウド技術のサービス、ソリューションに関連する展示が行われるほか、多彩なテーマを取り扱うセッションも開催される。
イベントのオープニングを飾ったのは、孫正義氏による基調講演。「情報革命の舞台は、世界へ」と題したスピーチの中で孫氏は、低迷する日本経済を復活に導くためのソフトバンクのシナリオを熱弁した。
■企業はスマホ・タブレット・クラウドを100%揃えて情報武装すべき
講演の冒頭、孫氏はこのように述べた。「最近は日本の国の人々が自信をなくしているように感じる。特にビジネスの分野では“沈み行く国、日本”という文脈で語られることが多い。アベノミクスの効果によってようやく経済は復調の兆しも見られるが、GDPはかつての世界2位の地位から陥落しつつあり、新興国の労働人口が大きく伸びているのに対して、日本は減少している。ただ、私は日本はこのまま沈むことは決してないと信じているし、必ず復活する。またそうしていかなければならない。将来を憂うだけでなく、どのようにして“復活させるのか”、私なりの方程式を今日は表明したい」
孫氏は「日本経済の復活」を実現するためのキーポイントに2つの要素を挙げた。一つは「生産性の向上」と、もう一つが「労働人口の拡大」である。「この二つを実現することで、日本の競争力を取り戻すことができる」と孫氏は指摘する。
生産性を向上させるための鍵は「情報武装」にあると孫氏は続ける。「いま世界中でITテクノロジーが進化して、情報技術が拡大している。2018年にはCPUトランジスターの能力が人間の脳の処理能力を超えると言われている。他にもメモリー容量が増えて、通信速度が上がれば、情報のビックバンを加速度的に進化させることができる」
ITテクノロジーにおけるCPUの高速化、メモリー容量の拡大、通信速度の向上という3つの基本要素が「情報武装」のコアであると説く孫氏は、ソフトバンクとして特に通信の技術革新に貢献してきたことを強調する。現在市街地実験で下り最大1Gbpsの通信速度を実現したことについて触れながら、まもなく一般ユーザーのモバイル端末で使える技術になるだろうとした。
今後2010年から2040年にかけて、ムーアの法則に従ってITテクノロジーはさらに進化を遂げるという孫氏は「これからは無限大の計算能力、記憶容量、通信速度が当たり前の時代になり、人々のワークスタイル、ライフスタイルが変わっていくだろう。すべての情報がクラウドに格納され、人々のワークスタイルが決定的に変わっていく」とした。そして、「ソフトバンクでは変化に先行して対応するために、全社員が iPhoneと iPadを持ち、そしてクラウドにつながって業務内容を共有している」と強調しながら、「スマホ、タブレット、クラウドを100%揃えて情報武装しよう」と呼びかけた。
《山本 敦》
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