【インタビュー】バックグラウンドのサーバー環境を支える……Kii 荒井会長 その1
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荒井:「Kii Cloud」と相性がいいものの一つに、キャンペーンアプリが挙げられます。アメリカの大統領選挙の期間中に提供されるものや、最近ですとワールドカップ向けのアプリもそうですね。なるべく急ぎで開発する必要があるため、従来の開発手順を追っていては大変な労力が必要となります。また、こうしたアプリの場合、キャンペーン中は膨大なアクセスがあっても、期間が過ぎればトラフィックはほぼゼロになります。そのピークタイムに合わせたサーバーを用意するのは困難ですし、終了後にほぼアクティビティがなくなったサービスを維持するのにも手間とコストが掛かってしまいます。そこで、「Kii Cloud」を利用すれば、こうした問題はすべて解決できるわけです。
--- 従来であれば広告、カタログなどはペーパーメディアがその役割を果たしていました。モバイルアプリが利用されるようになり、状況はどう変わりましたか?
荒井:モバイルアプリはエンドユーザーとコネクションを作り、毎日店舗やサービスを利用してもらう上で非常に重要な役割を果たしています。例えば、アメリカの大手スーパーチェーンがモバイルアプリを提供したところ、その年の売り上げが20%増えたという話があります。機能的にはストアファインダーとチェックイン、クーポンの発行だけという単純なものでしたが、それでも企業の売り上げを一変させる可能性があるわけです。一方で、紙のパンフレットにはGPSも iBeaconもありません。さらに、以前ならサービスを受けるのにスタンプの台紙やカードを持ち歩く必要がありましたが、それらが全てモバイルに置き換わるとなれば利便性は段違いに上がります。
--- 実際の開発現場でMBaaSの利用は進んでいるのでしょうか?
荒井:スマートフォン向けのモバイルアプリが急増したため、システムインテグレーターや開発会社には、多いところで月に40本ぐらいの開発依頼が来ていると聞きます。日本ではモバイルサービスというと昔はブラウザーで提供されていたため、ネットワーク関連のエンジニアは多いのですが、モバイルアプリを触れる開発者は多くありません。そのためリソースの取り合いになっているのが現状ですが、「Kii Cloud」を利用すれば、例えば、従来は3ヵ月必要だった開発期間を1ヵ月に短縮できます。また、アプリ開発者の不足は世界規模で起きていますが、その中でもMBaaSの利用がいち早く進んでいるのがアメリカです。特にB to Cについては、MBaaSを利用するのが絶対という認識になりつつあります。アメリカはスタートアップが多いので、小規模の開発現場ではバックグラウンドの人員がどうしても不足してしまいがちです。そこに注力するぐらいなら、例えばゲームのスタートアップならゲームのキャラクターを良くした方が絶対に売れるアプリができるでしょう。
■モバイルアプリでアナリティクスやABテストを提供
--- 「Kii Cloud」について、その特徴を教えていただけますでしょうか。
荒井:MBaaSのサービスはアプリを短期間に安く作る(ビルド)ことにフォーカスしたものが多いですが、我々はそれに加えアプリのライフサイクルをサポートする機能を提供することが大切と考えています。 先ほどの例で挙げた大手スーパーのアプリですが、ここ1年ぐらいはアプリのリリースがされていなく、ダウンロード数は50万ダウンロードぐらいで頭打ちになっています。アプリのユーザー数を増やすためにはユーザーの振る舞いを分析してアプリを改善し続けなければ行けません。そうしないと、逆にユーザーが離れていってしまいます。そこで我々が重視しているのはアプリの最適化(オプティマイゼーション)を行う機能です。
《丸田》
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