MVNO「mineo」のラインアップに“格安ではない”端末が加わった意義とは?
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既にラインアップされているDIGNO Mと比べた時にもっとも違いが出る部分であり、今回の発表時にも注目を集めたのが、CAおよびWiMAX 2+への対応。これによって現段階のauのネットワーク(3Gは除く)をフルに使うことができ、より広いエリアで高速通信の恩恵が受けられる。LaLa CallなどIP電話サービスも使いやすくなるだろうし、MVNOとしては珍しくテザリング機能が使えるというmineoの特徴もさらに活かすことができる。試しに外出先で通信速度を計ってみると、下り40Mbps前後の高いスループットが計測できた。ノートPCをテザリング接続して使ってみてもまずまず快適だった。上り速度が5Mbps前後と下りに比べて少し低い数値だったことを見ると、恐らくWiMAX 2+につながっていたのではないかと思う。CAにしてもWiMAX 2+にしても、まだこれからエリア、品質ともに向上するであろう新しいネットワークであり、今後の通信環境に期待が持てる。
その他、端末に関しては、本体を持つだけで画面がONになったり、ポケットの中で着信音が鳴ってしまった時にも本体を握るだけでバイブに切り替えられたりといった地味ながら嬉しい機能もある。昨今、各メーカーが差別化のために力を入れているカメラ機能についても、撮影シーンに応じたアドバイスが表示される「フレーミングアドバイザー」や、白トビ・黒つぶれをおさえるHDR撮影のリアルタイム処理、夜景に強い「NightCatch II」といった使いやすさに気を配った機能を搭載。また、カメラをかざして英語を翻訳できる「翻訳ファインダー」、写っている文章を画面をなぞるだけで検索できる「検索ファインダー」といった機能も。「検索ファインダー」については、文字認識の精度がもう少し上がってほしいところではあるが、試みとしては面白い。
■相応の端末価格。長期利用を考えるとコストダウンにつながることも
こうして見てみると、端末としての完成度は高く、CA・WiMAX 2+も使える点で非常に使い勝手のいい組合わせであると言える。しかし、最新のハイスペック端末であるがゆえに、DIGNO Mと比べるとどうしても端末の値段が張ってしまうのも事実だ。とかく安さが求められがちなMVNOの中で、最新端末をラインアップした意義はどこにあるのか。ケイ・オプティコムは、高価格帯の端末について実験的な意味合いもあるとしつつ、とにかく選択肢を増やすことが重要だとしている。MVNOサービスも徐々に認知が拡大してきた中で、リテラシーの高い一部のユーザーだけのものではなくなってきた。そうなると、今までのキャリアでの契約よりは安く使いたいが、よく分からない中古端末や安価な端末で失敗もしたくない、といったニーズも出てくる。そういった人たちにはおすすめの端末とのセットプランは魅力的だ。AQUOS SERIEとのセットで、端末代を24回払いにした場合、月々の支払は1GBプラン(データ通信のみ)4,130円、3GBプラン(データ通信のみ)でも5,480円で、それなりに安く使える。そして、なるべく長く同じ端末を使うことでコストダウンを図ると考えれば、現時点で最新の端末であるということにも意味が出てくる。特に最新のネットワークに対応していれば、今後のエリア拡大も見込めるし、VoLTEのような新技術にもアップデート対応する可能性があるからだ。
利用するデータ量、利用できるネットワーク、端末のスペック、端末の利用期間、色々なことを総合的に考えた時に、その人に最適な選択肢があるように、今後もプラン・端末の両面でMVNOのラインアップが増えていくことに期待したい。
《白石 雄太》
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