【本気の瞬間を聞く Vol.3】SUPER GTレーサー佐々木大樹……悔しいと思えるか、危機感があるか
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
佐々木:掃除をしますね。
--- 掃除ですか?
佐々木:直接的な意味での掃除というよりは、整理、準備ですかね。何て言うか、やり始めないことには何事も始まらないわけで、やるってなったら、これとこれとこれをこういう順番でやって、次にあれやって、これやってと、計画表を書きます。受験勉強時代は特にそうしていましたね。向こう1週間くらいの計画を立てる。そのときが切り替えのタイミング。
--- 切り替え、そして本気で取り組み始める決意のタイミングなんですね。
佐々木:はい。僕、机が汚いと勉強する気にならないんで。できる環境、向かう態勢をまずつくって、ということです。計画を立てて、目標に向かうという意味では、受験とレースは似ているところもあると思います。それに、やっぱり最後は気持ちだと思いますしね。負けたくないという気持ち。レースはもちろん、受験もそうで、負けたくないじゃないですか。僕の場合、レースだけ負けたくない、ではなくて、受験でも何でも負けたくない。負けず嫌いなんですよ。できることはしっかりやって、勝ちたい。
--- 勝負するときにしっかり集中して勝負する、計画を立てて万全の準備をして事にあたる、そして万事に負けたくない気持ちをもち続ける。高い意識で行動してきた佐々木選手ならではの「切り替えの心得」を教えていただきましたが、多くの人は、なかなかそうはできずに日々、自問自答しています。どうしたらいいんでしょう?(笑)
佐々木:やっぱり、悔しいと思うかどうか、ですかね。たとえば勉強(学業)で、成績が悪くてもいいや、ってなってしまったら、永遠に勉強なんてしないじゃないですか。もともと勉強が好きな人なんて、あんまりいないでしょうし。だから、悔しいと思うか思わないか、あるいは、どれくらい危機を感じているかが重要なんでしょうね。そう思えないってことは、そこまで自分がそれを追い求めていないってことですから。
--- なるほど。ところでレースというのは、走っているドライバーだけが仕事を頑張っても勝てないわけで、若手の佐々木選手とはいえ、チーム全体をモチベートするというか、そういう部分で意識されているポイントもあるかと思います。
佐々木:コミュニケーションを取ることですね。レースの話だけじゃなくて、何気ない、たわいもない話もチームスタッフといろいろ話すんです。話をすると、その人の性格って分かりますからね。そうすると、レース(マシンの調整)についての話でも、もっと分かり合える。
--- 同じことを伝えるのにもAさんとBさんとでは効果的な伝え方が違ってくるので、それをきちんと理解する、ということでしょうか。
佐々木:そうです。人によって、絶対に違うんですよ、ベストな伝え方は。この人にはこうやって伝えればいいんだな、ということが、コミュニケーションを取ることで分かる。コミュ二ケーションの重要性は、学校や会社でも同じなんじゃないかと思いますけどね。
--- これも他の仕事との共通点かと思いますが、レースにはチームで戦っているからこその喜びもありますよね。
佐々木:はい。レースのいいところって、優勝したときにチームみんなで喜べることなんですよね。やっぱり仲間がいて、みんなで「おめでとう」って言えること、これがレーシングドライバーという仕事の一番の醍醐味だと思います。もちろん、どうドライビングしたらどうタイムに影響するのかを考えて、それを実際にマシンに乗って実践して、1000分の1秒でも速く走るということ自体も楽しいですけどね。
--- 今年は近藤真彦監督のチームでSUPER GTを戦っていますが、近藤監督もレースと芸能活動を両立されてきた方です。そのあたり、監督から吸収している部分もあるかと思います。
佐々木:監督も本当に両方頑張っている方で、両方負けたくない、という気持ちが強いのは僕と一緒なんだと思います。両方頑張っているからこそ、どっちにもプラスになる。僕の場合、勉強(学業)も頑張ってきたから今があるんだと思います。片方に絞ったらいいかというと、そうではないですね。
--- 最後に、将来的な目標を聞かせてください。
佐々木:GT500でチャンピオンを獲ることはもちろんですけど、日産が来年からWEC(世界耐久選手権/ル・マン24時間レースを含むシリーズ)に自社チームで参戦しますから、僕も世界の舞台でチャレンジしたい、という気持ちは当然あります。フォーミュラの方では、今F3に乗っていますので、次はスーパーフォーミュラ(国内フォーミュラレースでF3の上、最高カテゴリー)に乗りたい。とにかく、世界の舞台でも「速い」「ぶつけない」「壊さない」でトップ争いができる、チームやメーカーが安心して見ていられるドライバー、本当に強いドライバーになりたいと思っています。
《遠藤俊幸》
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