「テレワーク」の期待と普及にギャップ……メリットを見極める | RBB TODAY

「テレワーク」の期待と普及にギャップ……メリットを見極める

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「働き方(ワークスタイル)の多様化」の推進が必要だと思いますか。単数回答、N=300
「働き方(ワークスタイル)の多様化」の推進が必要だと思いますか。単数回答、N=300 全 9 枚
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 “ワークスタイル変革”の例として挙げられることの多い「テレワーク」だが、国土交通省が実施した「テレワーク人口実態調査」では、我が国のテレワーカー人口比率(就業者人口に占めるテレワーカーの割合)は、すでに、2012年時点で21.3%(約1,400万人)となっている。

 「テレワーク」は、働く側にとっては、オフィスにとらわれないことで、より自由な勤務が可能となるし、企業側にとっては、オフィスのスペースやコストなどを削減できるなど、双方にメリットも大きい。雇用創出や労働力創造、優秀な社員の確保、さらには事業継続性(BCP)やCSRの観点からも、すでに多くの企業が取り組んでいる。

 ネオマーケティングは21日、「テレワークに関する調査」の結果を発表した。調査期間は7月25日~26日の2日間で、社員の働き方について決定権のある20歳~59歳の経営者、人事・総務担当者など、全国の300人が回答した。

 まず、働く場所や時間に縛られないなどの、「働き方(ワークスタイル)の多様化」について推進したいと思うかについて質問すると、全体の71.0%が「とてもそう思う」もしくは「そう思う」と回答した。「働き方(ワークスタイル)の多様化を推進するメリット」をでは、「業務効率・生産性の向上」57.7%が1位。以下、2位「多用な人材の維持・人材確保」44.0%、3位「コスト削減」39.7%が続いた。

 また、テレワークを実施することに対して「外回りや出張が多い社員の業務効率化に繋がる」66.7%、「産休や育休明けの女性の職場復帰のサポートになる」60.0%、そして「より多くの女性人材の活用に繋がる」58.7%と、過半数以上の人がテレワークに対して好意的な意見を回答している。

 一方で、「必要性を感じているが実施していない」人は45.7%いたが、「すでに対策を実践している」 「必要性を感じており、現在対策を検討している」と回答した人は、わずか18.0%に留まった。具体的に「どのような働き方の導入が難しいと思うか」を聞くと「働く場所に縛られずどこでも働けるモバイルワーク」がトップ、次に「自宅でも仕事が可能な在宅勤務」35.0%が続いており、テレワークの導入ハードルが、比較的が高く思われている傾向があきらかになった。懸念点としては、「社員の労務管理が難しくなる」55.0%、「情報漏洩などのセキュリティ管理」41.7%、「社員同士のコミュニケーションの鈍化」38.0%などが上がっている。

 それに対し「テレワークを実施する際に、どこにいてもスマホを使って会社の番号で発着信できるようになると、社外の人とのコミュニケーションがとりやすくなるか」と聞くと、「とてもそう思う」「そう思う」と回答した人が全体の65.0%となっている。スマホを会社電話同様に機能させることにメリットを感じ、社外さらには社内コミュニケーションの活性化につながると捉えている人も多いようだ。

 このように、なかなか企業に普及していない一方で、テレワークのメリットには強い注目が集まっている。とくに、クラウド勤怠管理(在席管理)システム、モバイル端末からも参加できるWeb会議システム、スマートフォンを会社の内線電話として使える音声通話システム(PBX)のクラウド化などが、ここ最近注目を集めている。

 現状に対し、ナレッジシステムズ代表取締役の長谷川渉氏は、普及が進まない背景に、「環境とルールを整備するハードルが高いイメージがあるからではないでしょうか」と指摘。「ビジネスの現場では“労務管理はどうするんだ”“セキュリティやコストが心配”“コミュニケーションが減るとさぼるのでは”“外部とのやり取りが任せられなくなる”といった経営者・管理職の声も耳にします」と、イメージと現実のギャップを懸念した。

 そのうえで「PBXのクラウド化によって、 スマートフォンを会社の内線化させれば、 社員同士の通話が無料になるだけでなく、社外から会社の電話番号で発信できるようになるため、自宅に居ても電話での顧客対応が可能になります」と、そのメリットの大きさを解説。その例として「クラウドPBX『Arcstar Smart PBX』であれば、社員個人のスマートフォンに専用アプリをインストールするだけで、音声通話のBYOD環境が整います。会社側で、特に専用デバイスを新規購入したり、対応キャリアを考慮する必要もありません」と具体的な現状についてもコメントしている。

 そして「テレワークの導入をサポートする各種ITツールは、セキュリティ対策の強化も進んでいます。これらを活用して、多様なワークスタイルを支える基盤を築いていくことが、今後の経営者の課題になってくるのかもしれません」と結論づけている。

《冨岡晶》

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