「見たことのない自分を見るために」……宮沢りえ、「紙の月」で7年ぶりの映画主演
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夫と二人暮らしの主婦で銀行の契約社員として働く梅澤梨花。上司や顧客にも評価され不自由のない生活を送っていたが、年下の大学生・光太と出会って過ごすうち、顧客の預金に手を付けてしまう。金銭感覚が狂い巨額横領事件を起こしてしまう主婦・梅澤梨花を演じたのは、7年ぶりの映画主演となる宮沢りえ。宮沢は「改めて、7年ぶりなんだなという驚きがありました。その7年間の間にふつふつと溜めておいたものを本当に出し切ったという感じがあります。今までにやったことのない役でしたし、楽しいだけではなく濃密な撮影でした」と振り返った。また、7年間舞台を中心に仕事をしていたなかで、そろそろ映画の仕事もしたいと考えていたタイミングに話が来たが、「衝撃的なシーンもあり、今までやったことのない役だったので、決めるのに時間がかかった」と告白。見たことのない自分に出会いたいという思いで受けたと話した。
報道陣から共感できる部分はあるか?と聞かれると「ある事がきっかけで物事が大きく動き出すことは、どんな方にもある。梨花が狂気というタンクをどんどん満タンにしながら悪で手を染めているのに、その手がまっ黒じゃないという感じが不思議でした。共感できるといったら、到達点を脇目にみながら、まだまだ進もうとする生命力、貪欲さは自分のなかにある気がします」と答えた。
小林聡美と宮沢りえは初共演。主人公・梅澤梨花を追い詰めていく先輩事務員を演じた小林は「普段は私、親しみやすいキャラクターなのですが、台本を読んだときは、本当に厳格な勤続20年以上の仕事のできる銀行員ということだったので、親しみやすさを感じられないよう、怖い感じにやってみました。想像以上に怖くなりました(笑)」。対して宮沢は、「いつがご一緒したいと思っていたんですが、もっと穏やかなシーンで共演したかったなという愚痴みたいなものはあります」。と答えた。
原作者の角田光代は「映画になるのはうれしいし、今回も嬉しかった。小説ってどうしても言い訳を書いてしまうんですけど、この映画のなかには言い訳、個人の正義が入っていない。それで作り上げたというのが素晴らしい。何一ついいことが起きていないんですけど、見た後、爽快な気分になる。是非見てほしいです」とコメント、主演の宮沢りえについては「どんどん悪くなっていくんですけど、それに比例してすごく透明な美しさがでてきて本当に怖かったです、すばらしかったです」と評価した。
《RBB TODAY》
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