手軽さだけでは生き残れない?……缶コーヒーのシーズン迎えて
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国内のコーヒー市場では、「手軽さ」×「質」がトレンドになっている。セブン&アイ・ホールディングスとサントリー食品インターナショナルが1月にダブルブランド缶コーヒーを導入、セブン-イレブンがあつかう缶コーヒーで売れ行きナンバーワンになった。6月には伊藤園がタリーズと組んで高級ボトル缶コーヒーを発売した。このトレンドに沿うのが「ワンダ」だ。
アサヒ飲料は「ワンダ」ブランド主力商品の、『ワンダ 金の微糖』を9月2日に、『ワンダ ゴールドブラック - 金の無糖 -』を 8月19日にそれぞれリニューアル発売した。リニューアルでは「高級豆にこだわったプレミアム缶コーヒー」という商品価値の向上を意図した。「ワンダ」ブランドの販売数量は1~6月の累計で前年比100%となっており、年間販売目標である4020万箱を目指す。
8月発売の『ワンダ ゴールドブラック - 金の無糖 -』ではアラビカ種の高級コーヒー豆を100%使用し、米スペシャリティコーヒー協会規定の「Q-Grader」資格を保有する社員ががコーヒー豆の選定とテイスティングを監修した。なおコーヒー飲料の商品名や特徴として「GOLD」や「PREMIUM」などの表現を使用できるのは、全国公正取引協議会連合会によって指定の高級コーヒー豆を51%以上使用した場合と決められている。
10月には“コーヒー界のアップル”とも呼ばれる米のカフェチェーン「Blue Bottle Coffee(ブルーボトルコーヒー)」が日本上陸する。特定の農園から豆を取り寄せ、自家焙煎し、1杯ずつ手で入れるという、“サードウェーブコーヒー”と呼ばれる新しいカフェ形態の代表格だ。秋からコンビニコーヒーも交えて“いれたて戦争”となるか、業界筋は注目している。このように「質」嗜好の消費をいかにつかむかが、コーヒー業界の現在の課題となっている。
《高木啓》
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