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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第61回 iPhone 6 の「ヘルスケア」アプリが健康管理デバイスの世界を変える

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iPhone 6 のホーム画面。最下段左に「ヘルスケア」アプリがあ
iPhone 6 のホーム画面。最下段左に「ヘルスケア」アプリがあ 全 8 枚
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■ユーザーのヘルスケア情報のポータルとなる

 「ヘルスケア」を起動すると、「ダッシュボード」と名付けられたユーザー自身のヘルスケアデータを一覧表示するページが表示される。日毎、週毎、月毎、年毎で変化を見ることができる。ダッシュボードに表示させるヘルスケアデータは、ユーザー自身で選択できるようになっており、頻繁に確認したいデータをダッシュボードに並べるようにできる。

 ではHealthKitではどのようなデータが扱えるのかを「ヘルスケア」アプリの「健康データ」をタップし、その内容を見てみよう。「健康データ」をタップし最初に現れる画面は、カテゴリ別にHealthKitで扱えるものを分類している。「バイタル」や「フィットネス」「栄養」「検査結果」など現状は7分類されている。「すべて」をタップすると、カテゴリとは関係なく、HealthKitに対応した全ての項目を一覧できる。その数はなんと68項目(2014年9月22日現在)。生年月日や身長、栄養素など、多岐に渡る。そしてこれらのデータは自分自身で入力することも可能だが、連携できるアプリが今後サードパーティから提供されるようになれば、多数の項目で「自動的な記録」が可能になってくる。

 たとえば「歩数」は、iPhoneに内蔵されるセンサーから自動的に記録されるが、これもサードパーティのものに切り替えることも可能となっている。

 まだiOS 8自体がようやく登場したばかりなので、対応したアプリがほとんど無いのが現状だが、これまでヘルスケアデータを収集するアプリやサービスが、このアップルのHealthKitに対応することで、これまでアプリごとにバラバラに管理されていたユーザーのヘルスケア情報が、この標準アプリ「ヘルスケア」で全て一元管理可能になるのだろう。

 筆者の場合、Withings製のWi-Fi搭載体重計を使用しており、同社の提供する「Withings」アプリで体重の管理を行っていたが、これがHealthKitに対応してくれれば、「ヘルスケア」アプリで他のヘルスケア情報(歩数や消費カロリーなど)と同時に閲覧できるなど、一元管理が可能になってくる。HealthKitの対応はきっと近いうちに実施されるものと期待を持っている。

 さらに、ここに集積されたユーザーのヘルスケアデータを利用したアプリの開発も可能なようだ。たとえば、健診等で健康に関する助言をするような際に、この「ヘルスケア」にある程度の継続的な健康管理データが記録されていれば、それを参照することでより的確な助言もできるはずである。医療情報として活用するにはデータの信頼性が問われることになるが、それでも参考程度には様々な活用が考えられるであろう。

 生体情報を収集するウェアラブルデバイスとそれを管理するアプリなどは現在、各メーカーや各キャリアからそれぞれ提供されているが、その管理はそれぞれのメーカーやキャリアに依存せざるを得ず、一元管理できないのが面倒に感じていた。とくにメーカー依存のものは、他のメーカー製の機器に買い替えたために、それまで蓄積した生体情報を継承できないケースも少なくなかった。
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《木暮祐一》

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