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これは、WiTricity社が基本特許をもつ「磁界共鳴結合方式」と呼ばれる技術を採用している。原理を簡単にいうと、2つのコイルを利用し、電磁誘導によってエネルギーを送受信するものだ。ただし、ある特定の周波数に共振したときだけ、電力を送受信することで、効率の良い変換ができるという。実際にコイル間の伝送効率は96.5%とかなり高い。
このシステムの大きな特徴は、非接触の距離(Ground Clearance)が100mmから160mmとかなり離れていてもよく、位置ずれも70mmまで許容できること。また共振周波数を切り替えて伝送できる点も特徴の1つだろう。
非接触給電システムは、送電コイルユニット、共振用コンデンサー/位置検知コイル、アンプユニットで構成される。耐振動・耐衝撃性(同社基準)、耐荷重(1000kg)、防水性(IP67準拠)に優れており、本ユニットを道路に埋め込んで使うという想定だ。
一方、EVの裏側には受電コイルが搭載されており、道路に埋め込まれた送電システムのコイルユニットを通過したときに受電して、電気二重層キャパシタ(EDLC)に充電する形となる。
実証実験では、約30mのコースを時速5kmで回り、計24時間、約1300回の電力伝送を行いながら、非接触の伝送エネルギーだけで完走できたという。走行充電が可能になれば、いちいち電気充電スタンドに駐車して充電する必要がなくなる。そのため走行距離が延伸し、車載の電池も軽減できる可能性がある。
今後の課題は、EVの速度を上げて、効率よく走行充電できるようにすることだという。EVが本格的に普及するためには、自動車の技術だけでなく、周辺のインフラ技術も併せて向上していかなければならない。そういう意味ではコアになりそうな技術と言えるだろう。
《井上猛雄》
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