【物欲乙女日記】全国きき酒選手権に参加。なんとベスト10に!? | RBB TODAY

【物欲乙女日記】全国きき酒選手権に参加。なんとベスト10に!?

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「第34回全国きき酒選手権大会」(10月24日)
「第34回全国きき酒選手権大会」(10月24日) 全 12 枚
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 みなさん、こんにちは。夜一人で晩酌するのが習慣化した32歳の物欲乙女、奥麻里奈です。私はもともとお酒に強い体質なのですが、ごくごく最近まで積極的に飲みたいと思わない、どちらかというと飲むより食べたい人間でした。

 しかし! 約3カ月前から突如ビールに目覚めるという、自分の生涯設計に組み込んでいなかった事態が発生。今から思えば、私の人生という川に酒が流れ込んできたのは、このコラムで昨年参加した「全国きき酒選手権大会」が伏流水だったのかもしれません。というのも、その後、初心者のためのワイン本の構成という仕事に携わるという出来事があり、飲むより食べたい嗜好性を残しつつも赤と白の液体が私という川のアルコール度数を数%アップさせたのです。からの、ビール開眼。この1年は「いつまでも子どもでいようとするな。大人になれ」と神様にお尻を叩かれ段階的なハードルを設定された期間だったという気がしてなりません。

 そんな1年を経て、今年も日本酒力が問われる季節がやってきました。去年と同様、ホテルニューオータニで開かれた「第34回全国きき酒選手権大会」にプレス枠で横入り参加させていただいてきました。地方大会を勝ち抜いてきた参加者は全部で72名、そのうち26名が大学対抗枠の、13大学の学生さんとのこと。「今年の参加者は平均年齢41歳。昨年より2歳若返りました」だそうです。まずは筆記試験を20分間で解いたあと、72人が4つのグループに分かれ、時間差できき酒の部屋に移動して競技を行いました。

 競技は、隣り合わせの2つの部屋に用意された7種類の酒を一致させるというもの。要は、1の部屋に用意されたA~Gの酒と、2の部屋に用意されたイ~トの酒とを、どれが同じ酒なのか当てるのです。それぞれの部屋で7分間味を見極めて1~7の番号を問題用紙に振ったあと、隣の部屋に移って再び7分間で1~7の番号を振って提出。

 主催者の方がスタート前に「普段はできているのに緊張感漂う場だとできなくなったりするのでリラックスして頑張ってください」と参加者を励ましており、「そうか、緊張で味覚が機能しなくなってしまったりすることもあるんだな」とにわか参加者は自分のお気楽さを自覚しました。じゅるじゅると口に含んだ酒を舌で回す競技者の様子を取材エリアからiPhoneで撮影していると、時間制限が近づくほど競技者の姿がブレてしまい「ああ…」と思っていたのですが、これは時間に焦っている競技者の動きが速くなっているためだということに気付きました。

 私は競技者とは別枠で設けられた時間にきき酒をやらせていただいたのですが(採点中にトークショーをされたゲストのこばたてるみさん、中村真衣さん、森田真衣さんと一緒に)、去年と違うのは、7つのお酒の特徴を「辛い」「甘い」「軟らかい」「薄い」「ちょっと濃い」「フルーティ」「水みたい」「匂いが強い」とそれぞれ言葉でメモを取ったこと。去年は単に美味しさの順番をつけていっただけでした。「明らかにこの酒はこれだな」と分かったのは2つほどで、それ以外の5つは甘さと軟らかさが似ており、判別が難しかったです。

 トークショーではこばたさんから「料理をするとき、グルタミン酸が含まれた日本酒にはイノシン酸が含まれた鰹節の出汁を合わせると相乗効果で美味しくなるし、素材の肉同士がくっつかなくなったり、臭みを消したり、軟らかくなったりする効果がある」という耳寄り情報を得、いよいよ密かに楽しみにしていた懇親会会場へ移動しました。というのは、ここで出される料理がものすごく豪華なのです。去年食べそびれたフォアグラを今年は逃さず食べることができました。美味しかったです……。ほんと、「お前は一体何を学習してるのか」とお叱りを受けても仕方ないと、もう食べたあとなので思っております。隣にいた大分代表の男性と話していたところによると、日本酒の味は「甘い」「酸っぱい」「薄い」「米の味」で判別するそうです。

 最後に順位が発表され、大学対抗の部は3位が日本大学、2位が神戸大学、1位が明治大学、団体の部は3位が北海道、2位が大分(隣の男性が前に出ていった)、1位が滋賀、個人の部は3位が島根、2位が栃木、1位が宮城でした。個人優勝した宮城の男性は「練習するとまったくできなくなるので訓練はしないできました」とスピーチしており、「味覚とメンタルは本当に切り離せないんだな」と思いました。

 そして、後日、私の元に「今回の奥さんの結果ですが、なんと参加者のベスト10に入るレベルだそうです!」というメールが。ええ~!!! とさすがにびっくりした私。やはり勝因は、ワイン本の仕事を通過したことによる味の分析力アップでしょう……。プラス、筆記試験のまぐれ当たりでしょう……。プラス、「今年こそ、フォアグラ」を胸にノコノコ来るくらいのフルリラックス状態でしょう……。本当に味覚って繊細なんですね。完全に調子に乗って「来年は本当に競技者として参加しようかな」と思案中です。

《奥 麻里奈》

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