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最大2Gbpsを実現!ヤマハの新VPNルータ「RTX1210」の特徴とは(後編)

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ギガアクセスVPNルータ「RTX1210」
ギガアクセスVPNルータ「RTX1210」 全 14 枚
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■TCPコネクション性能

 次にTCPコネクション処理性能に関しても紹介された。TCPプロトコルでは、クライントとサーバ間のやり取りをする際に、3ウェイハンドシェイク処理(SYN、SYN-ACK、ACK)を行い、データ転送後の切断までを1つのコネクションとしている。今回の検証では、1秒間に処理できるコネクション数を測定した。「近年、無線の導入やタブレットなどの増加、WAN回線の高速化、Webデータ量の増加などが原因になり、ルータが処理するTCP通信量が増加する傾向にある。しかしTCPコネクション処理性能が低いとボトルネックになり、十分なスループット性能を発揮できない」といった事情があり、TCPコネクション処理性能を確認することも重要になってきている。

 具体的な試験については、スループット性能と同様に、LAN接続とVPN接続の両方で実施した。「LAN接続の結果は、従来よりも10倍から40倍近い大幅な向上(2000コネクション/秒)となった。一方、VPN接続(IPsec)でも9倍から30倍と大差がついている。もしRTX1200の配下に10台のPCが接続され、Webにアクセスしていたと仮定すると、最新のRTX1210に交換することで単純計算でも90台ぶんのPCを置いて処理をさばけるようになる。こちらもセンター側ルータを変更すれば、さらに相乗効果が得られるだろう」。

■旧機種とRTX1210、機能面での差異と4つのリプレイス提案とは?

 続いて、従来機からの機能面での総相違点については、「まずRTX1200からの違いは、LANマップ機能やGUIの刷新など、さらなる見える化と分かりやすさを追求していること。逆にインターフェースやコンフィグを変えず、手間なくリプレイスできるように工夫している点も魅力だろう。またRTX1000/1100といった古い機種からの違いを見ると、モバイル端末、L2VPN、NGN(データコネクト)の対応など多くの新機能が実装され、用途に応じたネットワークの構築が可能になっている」と説明した。

 最後に、リプレイス提案として4つのケースが挙げられた。まずは「モバイルインターネット利用によるVPN接続」(RTX1000/1100からのリプレイス)での利用だ。「これは固定回線を引けない、あるいは短期間・小規模での拠点利用に適したリプレイス案。従来のRTX1000/1100はモバイル対応でないため、固定回線が必要だった。RTX1210にすれば、そのままモバイル利用が可能だ。メイン回線やバックアップ回線として活用できる」。

 2つ目は「ISDNからデータコネクトへのマイグレーション」(RTX1000/1100からのリプレイス)での利用。「こちらはISDN網からの切り替えや、データ通信量の増加に伴う対応でのリプレイス案となる。INS64やINS1500からフレッツ回線に変え、NGN網をつなげてデータコネクトへマイグレーションする。その際に拠点側をRTX1210に置き換えるだけでなく、センター側もRTX3500に変更すれば、より効果を発揮できる」。

 3つ目は「L2VPNを用いた同一アドレス形態でのネットワーク構築」(RTX1000/1100からのリプレイス)を想定したもの。「ポイントとしては、RTX1210でL2VPNを利用することで、移転や合併に伴う同一アドレス形態での管理ができること。新たに拠点を追加・移動しても、同一ネットワークであるため、面倒な設定を行う必要がない」。

 4つ目のリプレイス案は「LAN機能拡張によるネットワーク監視」(RTX1200からのリプレイス)での利用。「RTX1210に変更することで、スイッチ配下のヤマハ以外の機器や端末の状況が簡単に把握できるようになる」。

 いずれにしても最新のRTX1210に変更することで性能が向上し、幅広く柔軟な用途に応用が利くようになる。なお本セミナーでは、このほかにもヤマハのファイアウォール「FWX120」に組み込まれたマカフィーのメールセキュリティ機能や、無線LANアクセスポイント「WLX302」の事例、ヤマハルーターとMicrosoft AzureとのIPsec接続の詳細設定などの説明もなされた。
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《井上猛雄》

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