田中社長が掲げた「つくる自由」の未来とは……KDDI、国内初のFirefoxスマホを発表 3ページ目 | RBB TODAY

田中社長が掲げた「つくる自由」の未来とは……KDDI、国内初のFirefoxスマホを発表

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新製品「Fx0」を発表するKDDIの田中孝司社長
新製品「Fx0」を発表するKDDIの田中孝司社長 全 9 枚
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■「Fx0」は未来を見据えた事業戦略の第一歩

 国内では通常のスマートフォン端末の需要が頭打ちになってきたと言われて久しい。KDDIが今年1年間にローンチしてきた端末やサービスを振り返ってみても、ハードではキャリア独自端末のisaiを押し進めたり、ユーザーエクスペリエンスの向上という側面では新しい電子マネーの「au WALLET」やVoLTEもスタートしている。

 グループ会社のKDDIバリューイネイブラーを通じてMVNOのフィールドにも進出するなど、「auらしさ」を前面に打ち出しながらこれからの競争を勝ち抜くために、さまざまな手を打ってきたと言える。その延長線上で考えるならば、「Fx0」はKDDIにとって少し先の未来を見据えた戦略事業の第一歩と捉えることができる。

 だとすれば、いまiPhoneやAndoridスマートフォンを横に対抗馬として並べて、スペック比較でFx0の善し悪しを論じるのは見当違いではないだろうか。田中社長は「Firefox OSを新興国向けの安価なモバイル端末のためのOSと見る向きもあるが、私はこのプラットフォームの良いところはオープン性だと捉えているし、そこを訴求すべきだと考える」と述べている。

 筆者は今回の「Fx0」にプリインストールされた「Framin」というアプリに注目した。HTML5などオープンなソースコードで自由にアプリを開発できるところがFirefox OSが掲げる特長の一つだが、そもそもプログラミングをやったことがない、あるいは興味がない人にとっては、そこが魅力でしょ?と言われても何がいいのかピンと来ない。

 この「Framin」というアプリはプログラミングの知識がなくても、「画面をタッチする」「端末を振る」などの“トリガー”と呼ばれる何種類かの入力操作のプリセットに、「音声を出力する」「アプリを起動する」などの“アクション”と呼ばれる端末のリアクションを組み合わせることで、例えば「端末を振って、画面に我が子の写真を表示する」といったファンクションを端末に登録して、機能のカスタマイズを手軽に楽しめるというものだ。

 田中社長も「さまざまなWebや端末ローカル上の素材と、照度センサーや加速度センサーなど端末内部のIOインターフェースを直接つないで新しい使い勝手を生み出せるのがFirefox OSの特徴」と繰り返し強調している。現時点で「Framin」は端末内で完結するアクションまでしか創ることができないが、やがてもし他のFirefox OS搭載のスマートフォンや家電機器とも連携できるようになれば、徐々にその魅力が一般に浸透していく可能性も十分にあるだろう。

 今年の年初にはパナソニックがスマートテレビ向けのオープンプラットフォームにFirefox OSの搭載を検討していることも伝えられたが、例えば「Fx0」の本体を振ってテレビのチャンネルを変えたり、将来的にはエアコンや洗濯機など白物家電も操作できるようになって、それをユーザーが自由にカスタマイズできるようになればスマートフォンの利用価値が変わってきそうだ。

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《山本 敦》

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