さまざまな作業がハンズフリーで実現可能に……富士通研が指輪型ウェアラブルデバイスを開発
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クラウド環境の進展にともない、工場やビルのメンテナンス作業などに、ヘッド・マウント・ディスプレイ(以下、HMD:Head Mounted Display)などのウェアラブルデバイスを活用しようという動きがある。富士通研究所も、ウェアラブルUIによって、新しい業務スタイルの実現を目指し、ウェアラブルデバイスの開発を進めてきた。
たとえば同所では、2014年2月にグローブ型のウェアラブルデバイスや、モノへのタッチ行動とジェスチャにより現場作業の情報支援を行う技術などを発表した。しかし、従来のウェアラブルデバイスには課題も残っていたという。
富士通研究所の村瀬有一氏は、「これまでのウェアラブルデバイスは、情報をハンズフリーで閲覧できても、表示情報をタッチして操作することはできなかった。そのため作業中に情報を入力したり、メモを取ったりするためには、作業をいったん止める必要があった。作業を中断せずに、手に何も持たないで情報を操作できるインターフェイスを提供するために、今回の指輪型ウェアラブルデバイスを開発した」と、開発経緯について説明した。
この指輪型ウェアラブルデバイスは、重量10gという軽量化を実現。小さな本体の中に、モーションセンサ(加速度・ジャイロ・磁気)、センサ処理用マイコン、Bluetooth LE、ボタン型バッテリのほか、NFC(Near Field Communication)タグリーダ、入力操作ボタン、状態表示用LEDも内蔵している。モーションセンサで指の動きを読み取って、Bluetooth LEでスマート端末にデータを送り、さまざまな作業が行えるようになる。この装置は、いわば「指先ジェスチャでの筆記用具」の働きをするものと考えると分かりやすいだろう。
指輪型ウェアラブルデバイスには3つの機能がある。まず1つ目の機能は「指の動きで数字や文字を入力できること」。これにより作業のメモ書きや、HMDに表示されたメニューを数字で選択することが可能になる。2つ目の機能は「指先を曲げてNFCタグを読み取れること」。NFCタグリーダを搭載しているため、NFCタグをタッチした際に作業対象を特定し、その作業内容などを提示できる。3つ目の機能は「端末からのLED発光制御」だ。各種アプリケーションと連動し、警告したい場合にアラームを表示する。
《井上猛雄》
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